『スタンフォードの自分を変える教室』レビュー 9冊目:ビジネスNo.5
『スタンフォードの自分を変える教室』
著:ケリー・マクゴニガル
訳:神崎朗子
こんにちは、masamariです。
今回は、ケリー・マクゴニガルさんの『スタンフォードの自分を変える教室』をご紹介します。
◾️著者について
ケリー・マクゴニガルさんはスタンフォード大学の心理学者です。
ボストン大学で心理学とマスコミュニケーションを学び、スタンフォード大学で博士号(心理学)を取得されました。
心理学、神経科学、医学の最新の研究を応用し、個人の健康や幸せ、成功および人間関係の向上に役立つ実践的な戦略を提供する講義は絶大な人気を博し、スタンフォード大学で最も優秀な教職員に贈られるウォルター・J・ゴア賞をはじめ数々の賞を受賞。
各種メディアで広く取り上げられ、「フォーブス」の「人びとを最もインスパイアする女性20人」に選ばれました。
◾️6時間未満の睡眠が脳を弱くする
睡眠時間が6時間未満の人は、もしかしたら意志力がみなぎっている間隔を思い出せないかもしれない。
睡眠不足が続いてしまうと、ストレスや欲求などに負けやすくなり、感情のコントロールや、意識を集中させたりするのも難しくなります。
・睡眠が足りないと意志力が低下する原因
睡眠不足の状態では体や脳の主要なエネルギー源であるグルコースを使用することができません。
疲れている時は、血液中のグルコースが細胞になかなか吸収されず、細胞がエネルギー不足となり、疲労を感じます。
身体や脳がエネルギーを欲しがるため、甘い物やコーヒーが飲みたくなりますが、糖分やコーヒーでいくらエネルギー補給しても、それを効率よく使うことが出来ず、体や脳は十分なエネルギーを取ることができないのです。
エネルギーを消費する前頭前皮質は、このエネルギー危機の影響をもろに受けます。
研究によれば、睡眠不足が脳に与える影響は、軽く酔っぱらっている状態と同じであることがわかりましたが、こんな状態では自己コントロールなんて到底望めません。
寝不足が続いても、自己コントロールを補強する方法はいろいろあります。
いくつもの研究によって、一晩ちゃんと眠っただけでも脳の機能は最適な水準まで回復することがわかっています。
平日夜遅く寝て朝早く起きる生活が続いたとしても、その分週末にたくさん眠れば、意志力は再びみなぎってくるのです。
さらにいくつかの研究によって、一番悪いのは連続して何時間も起きていることがわかっているそうです。
前の日に全く眠れなくてピンチの時には、少し居眠りするだけでも集中力や自己コントロール力は回復するのです。
◾️1分の自制の消費エネルギーはミント半分以下
ペンシルベニア大学の心理学者であるロバート・カーズバンの主張によれば、脳が自制心を発揮するために実際に必要なエネルギー量は、1分につきプレスミント<チックタック>の1粒の半分にも満たないそうです。
脳が行う他の作業に比べれば、それでも確かにエネルギー量は多いといえるが、体がエクササイズを行う場合に比べればはるかに少ない量です。
例え疲れているとしても、その場にしゃがみこんでしまうほどではなく、その辺をひと回り歩ける程度のエネルギーが残っていれば、自制心を発揮したくらいでは体中のエネルギーを消耗してしまうとは到底考えられません。
◾️おわりに
自分を変えるために意志力が必要で、その潜在能力を引き出す力は、「やる力」「やらない力」「望む力」の3つです。
本書ではそんな意志力をつけるための具体的な方法が他にも紹介されています。
気になる方は是非読んでみてください!