『すごい工場』レビュー 25冊目:ビジネスNo.18

『すごい工場』
著:出口弘親


こんにちは、masamariです。

今回は、出口弘親さんの『すごい工場』をご紹介します。


◾️環境整備がピカピカな工場をつくる

●環境整備とは「仕事の環境を整え、備えること」
きれいにするというと、掃除を思い浮かべる方もいらっしゃるでしょう。
しかし、「掃除」と「環境整備」は、似て非なるものです。

掃除は手段で、目的ではありません。
それに対し、環境整備には明確な目的があります。

それは、
「仕事をやりやすくするために、社内の『環境』を「整」え、そして、必要なものがすぐに取り出せるようにして、仕事に『備』える(準備する)」
ことです。

掃除は、掃いたり、拭いたりして、ゴミやホコリ、汚れなどを取り去ることですが、環境整備は仕事をやりやすくするための施策です。
確かに、環境整備も工場やオフィスはピカピカになりますが、それは環境整備の一側面に過ぎないのです。


◾️継続しているとPDCAサイクルを回せるようになる

環境整備で1人が任されるスペースは、決して広い範囲ではありません。
しかし、広くないからこそ、細かな汚れなどに気づくことができて、徹底的にピカピカにできるメリットがあります。
この小さなことに気づけるという感性は、日常の仕事にも生かされます。

そして、誰がどこの掃除を行うかについては、全てスケジュールとして決まっていて、「決められたこと・決められたところを、決められた通りに行う訓練」になります。
このように行動という形を揃えていくことで、心も揃っていくという効果もあります。
「形から入り心に至る」という考え方です。


◾️コミュニケーションのロスをなくすエマジェネティックス(EG)

●自分と皆の「思考と行動」の特性を知る
EGは、脳科学の理論と70万人以上の統計を基にして、アメリカで開発された人間の「思考と行動」の特性を分析するツールです。
人間には、考え方・思考の特性と行動の特性があり、それを知ることが人間関係において重要だとEGは定義しています。

具体的には、診断テストの結果から、その人の特性を「自己表現性」「自己主張性」「柔軟性」の3つの行動特性と、「分析型」「構造型」「社交型」「コンセプト型」の4つの思考特性で分析します。

【行動特性】
「自己表現性」は、自分の感情を「他人に発信したい」というエネルギーの強さです。
「自己主張性」は、自分の考えや意見を「他人に受け入れてほしい」と感じる頻度とエネルギーの強さです。
「柔軟性」は、自分と異なる考えや状況、行動を受け入れようとするエネルギーの強さです。

【思考特性】
「分析型」は、数字やデータに基づく理論的、合理的思考、分析により理解を深めます。
「構造型」は、計画通りに、確実に実行することを好み、予測できる未来を好みます。
「社交型」は、人と人との関係性を重視し、人の気持ちを最優先します。
「コンセプト型」は、様々なことに関心、興味、注意が向き、次々と変化します。

診断を受けるとプロファイルが作成され、プロファイルからは次のようなことが明らかになってきます。

・その人がどのような考え方をする傾向があるのか
・その人がどのような行動をとることが多いのか
・どのような学習方法を好むのか
・新しい状況に対してどのようにアプローチする可能性が高いのか
・人からどう見られ、人にどう反応することが多いのか
・何を得意とし、何を不得意としているのか

また、プロファイルは、それぞれの特性が色で表されていて、その人の特性をひと目で理解することができます。
分析型=青構造型=緑社交型=赤コンセプト型=黄

ちなみに私の場合は、緑・赤となっています。


◾️おわりに

「環境整備」という名前は、あまり聞いたことがない人もいるかと思います。
しかし、物の置き場を決めることで探す時間が格段に少なくなって生産性の向上につながったり、物の定数を決めることで発注するタイミングが一目でわかったりします。
そして、全社で決まったルールなので、全社員の意思疎通もよくなります。
最初は嫌々でも、段々慣れてきて自然と体が動くようになってくるものです。
「環境整備」について知りたいという方は、本書を参考にしてみてはいかがでしょうか?

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