『シンプルに結果を出す人の5W1H思考』レビュー 70冊目:ビジネスNo.48
『シンプルに結果を出す人の5W1H思考』
著:渡邉光太郎
こんにちは、masamariです。
今回は、渡邉光太郎さんの『シンプルに結果を出す人の5W1H思考』をご紹介します。
◾️「目的のそのまた目的」まで突き詰める
ビジネス上の課題に着手したり、何をすべきかを考えたりする際、「目的」を意識するなんて、今や当たり前のことである。
でもその「目的」が、表層的な「目的」になっていないか、その「目的のそのまた目的」は何か?まで、突き詰める思考を身につけることがポイントだ。
いつも認識しているレベルから一段、二段高いところにある、より上位の目的やゴール、真のニーズを押さえる"Big-Why"がキーワードである。
Why をさかのぼることによって、より本質的な課題(=考えるべきこと)が設定でき、まさに山の頂上から下界を見下ろすように、思考のすそ野を広げることができる。
真の目的や大きな問いを打ち立てることによって、より大きな成果を生み出すことが可能になるのである。
上の図のように、私たちが何かの課題に取り組むときは、大きくこの3つのレベルで思考していると言える。
下から順に説明していくと、WhatやHOWは、「何をやるのか」「どうやるのか」。
つまり、施策の内容や実行手段などである。
取り組む物事についての、"やりかた"と言い換えてもいい。
次にWhy。
「なぜやるのか」、WhatやHowの直接的な目的や理由にあたるものである。
そして、さらにこのWhyを上へさかのぼっていった結果が"Big-Why"だ。
取り組む物事の理想的な「ありかた(どうありたいか)」と言ってもよい。
もちろん、これらの区分けはあくまで相対的なもので、ある行為や事象について、「これはWhat で、これはWhy」というように、絶対的にはっきり決まるものではない。
WhyとBig-Whyについても同様である。
ここで大事なことは、常に「これはWhatあるいはHOWレベルのものではないか?」と疑問を持ち、Big-Why方向に思考を引き上げる意識を持つ。
その上で再度下ってWhatやHowを再考するという、「逆U字の思考のプロセス」である。
◾️「上へさかのぼる」とはどういうことか?
通常私たちは下の2つのレベル内で思考していることが多いものである。
最下層だけが視界の中心になってしまっていることも結構あるのではないか?
例えば「痩せたいから(Why)」「毎日朝晩3キロ走る(What)」という直接的な目的と手段は考えていても、「なぜ痩せたいのか?」そう思った本当の理由、つまり、痩せることによって真に実現したいこと(Big-Why)を常に明確に意識している人は少ない。
また、スーパーなどで顧客が「惣菜を買う(What)」目的は、「調理を簡略化したいから(Why)」。
ではもう一歩突っ込んで「なぜ調理を省きたいのか、手間を省くことで何を実現したいのか(Big-Why)?」まで考えている業者はほとんどいないのではないか。
しかし、より本質的な問題解決や幅広い発想を得るのであれば、ここからもう一段、二段上へとさかのぼる思考が必要である。
「痩せたい」の例で言えば、 痩せることによって真に実現したいこと(Big-Why)にまでさかのぼって言語化してみる。
例えば、「心身ともに美しくなって、周囲から注目されたい」「生活習慣病を防ぎ、 健康を維持したい」というように、はっきりと大目的を意識すれば、別の手段や合わせ技も視野に入ってくる。
また、「惣菜」の例では、 さらに「なぜ調理を省きたいのか?」「手間を省くことで何を実現したいのか?」と、問いを重ねてみる。
実際にはさまざまな理由があるだろう。
例えば「キッチンを油で汚したくないから」「貴重な家族団欒で会話の時間を持ちたいから」「深夜に水回りや調理の騒音を防ぎたい」など。
Big-Whyをさかのぼり、こうした高次のニーズまで踏み込めれば、惣菜屋さんやスーパーはいろいろな差別化の手が打てる。
現に、夜遅くまで利用可能な広いイートインスペースを設置するスーパーが出始めているのも、こうしたところまで突き詰めたからこそと言える。
◾️おわりに
「目的のそのまた目的」という考え方は初めて聞きました。
目的自体、あまり考える習慣が出来ていませんが、さらにその目的まで考えるなんて、想像したこともありませんでした。
本書では、シンプルに考えるために、5W1Hを使った思考法が紹介されています。
図や絵も使って説明されているので、読みやすいかと思います。
気になる方は読んでみてください。