『頭は「本の読み方」で磨かれる』レビュー 71冊目:自己啓発No.14

『頭は「本の読み方」で磨かれる』
著:茂木健一郎


こんにちは、masamariです。

今回は、茂木健一郎さんの『頭は「本の読み方」で磨かれる』をご紹介します。


◾️読んだ本の数だけ、高いところから世界が見える

本を読むとどんないいことがあるのか。
それは、読んだ本の数だけ、高いところから世界が見える、ということに尽きる。
読んだ本の数だけ、足の下に本が積み重なっていくイメージだ。
一冊一冊積み重なっていくからこそ、より広い世界、より深い世界が見えるようになる。
十冊読んだ人は、十冊分の高さから、百冊読んだ人は、百冊分の高さから、世界が見えるのである。

その足場は、読むジャンルが多ければ多いほど、より安定する。
推理小説だけを千冊読んでいる人と、自然科学書から哲学書、小説、マンガまで、さまざまなジャンルをまんべんなく読んでいる人とでは、足場の広さが違ってくる。

※上記の図を参照
足場の「幅(横軸)」は、その人がどれくらい多くのフルに手を出すか、ということでつくられていく。
ジャンルにこだわらず、どんな種類の本でも読んでいる人はブロックがいくつも並んでいて、それだけ動き回れる余裕があるということ。
足場の「高さ(縦軸)」は、そのジャンルにおける積み重ねで、どのくらいの量を読んだかで決まる。 
当然、高さがあればあるほど、遠くまで見渡すことができる。
足場が広ければ、世界をより広く自由に動き回って見ることができ、足場が高ければ、より遠くまでものを見ることができるそうやって積み重ねるのが本だということである。


◾️「複数」を「同時進行」で

世の中では「多読・速読」がもてはやされているようだが、最初から1冊を1日で読んでしまおうと考えるのではなく、「1日10ページ」から始めてみる。
10ページを毎日続ければ、300ページの本でも1力月で読めてしまう計算だ。
「読書を習慣にするコツ」は、タスクを細切れに分け、心理的なハードルを下げること。
何でも三日坊主になりがちな人は、むしろ「まじめすぎる」のであって、最初からたくさんこなそうと、スタートダッシュで息切れしてしまうのだ。
「こんなにいいかげんなやり方でいいのかな?」というくらいの亀のペースで進んだほうが、結局は続けられる。

同様に、「一冊一冊を直線的に通読する」ことはない。
「飽き性」を自覚している人は、複数の本を同時並行で読んでみる。

「あんまり気が乗らないな」という本を、何日もかけて最後まで読み通さなくてもいい。
そんな時は、さっさと別の本に移ってまた10ページ読む。
「その日の気分」というものもあるだろうし、また気が向いたら前の本に戻ってくる。
今日は小説が読みたいけれど、次の日にはノンフィクション、という気分かもしれない。
どんな本であれ「1日10ページ」を続けていけば、筋トレと同じように鍛えられて、読むスピードが速くなり、一カ月で読める本も増えていく。

複数の本を同時進行で読むことには、メリットが多くある
一冊の本であれば、それはあくまで一人の意見である。
世の中には別の意見を持っている人がいる。
そちらの言い分も聞いてみる。
共通のこともあれば、違うこともある。
いろいろな人の意見が集まってくることによって、自分にはどういう景色が見えてくるのか。
それを確かめてみる。

もちろんむさぼるように一冊の本にのめり込むことができたら、それは素晴らしいことである。
しかしそれができなくても、さまざまな本を読んでいると、いつしか、

「表現には、柔らかかったり、ユーモラスだったり、扇情的だったり、淡々としていたり…無数のタイプがあるけど、自分はこういう種類の文章が好きなんだな」

「今の社会では、Aと言う人と、Bと言う人がいるけれど、私はAの主張をする人の方に共感できるみたいだ」
などということが見えてくる。

それぞれ主張は違っても、すべての人は「自分の意見が正しい」と信じている。
だからこそ世界には絶対的な正解が存在するわけではなく、自分がたまたま、ある人の主張する感覚を好きだと思うのにすぎないのだな、ということもわかってくる。
それが「自分の感覚を見つける」ということであり、「自分の判断カを身につける」ということなのである。

どんなにえらい人の意見も、どんなに絶対と言われている教科書も、すべては「ワン・オブ・ゼム(One of them、無数の中の一つ)」にすぎない。
自分も他のみんなも固有の感覚を持った人間として、大きな海の上でみんなと同等に存在していることが体感できるといい。
できるだけ多くの本に触れて、「こうでなければならない」「こうあるべきだ」という呪縛から解放されることが、"本当の知性"ではないか。


◾️おわりに

私自身、読む本のジャンルにすごく偏りがあります。
本書でも言っているように、読む本の数をただ単に増やすだけでなく、ジャンルの幅も広げていければと思います。
ジャンルを広げれば考え方も変わってくるでしょうし、読んだ本を共有できる人も増えてきますしね。
みなさんも普段読んでいないジャンルにも手を出してみてはいかがでしょうか。

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