『0ベース思考』レビュー 78冊目:ビジネスNo.52
『0ベース思考』
著:スティーヴン・レヴィット、スティーヴン・タブナー
訳:櫻井祐子
こんにちは、masamariです。
今回は、『0ベース思考』をご紹介します。
◾️人は「みんなの利益」より「自分の利益」を優先する
「自分の利益とみんなの利益が相反するとき、どうする?」と聞かれて、「自分の利益が大切だ」と白状する人はまずいない。
しかし、生まれつきか育ちかはわからないが、たいていの人がみんなの利益より自分の利益を優先することは、歴史がはっきり証明している。
そのこと自体は別に悪いことではないし、それが人間ってものである。
だか、貧困撲滅とか行政改善とか公害を減らすとか子どものケンカをやめさせるとかみたいに、いざ自分だけの小さな成功を超えた、大きな望みを叶えようとすると、とたんに人間の利己的なインセンティブに悩まされることになる。
みんなが好き勝手バラバラに動いているとき、同じ方向に向かせるにはどうすればいいか?
著者はこういった問題に答えるために、本書を書いた。
最近の風潮として、問題を解決する方法には「正しい」方法と「間違った」方法があるという思い込みを持つ人が増えている。
こういう考え方でいると、言い争いがどうしても増えるし、残念なことに、解決できるはずの問題も解決できなくなってしまう。
正しい方法と間違った方法、かしこい方法とおろかな方法、青信号の方法と赤信号の方法があるなんて思い込みを、著者はこの本を書くことで葬りたいとおっしゃっている。
現代社会ではもう少し建設的に、創造的に、合理的に考えることが必要だ。
違う角度から、違う筋肉を使って、違う前提で考える。
闇雲な楽観も、ひねくれた不信も持たずに素直な心で考えるということである。
◾️ほとんどの人が「自分は他人よりできる」と思っている
誰もが意外に知らないのは、世の中のことだけじゃない。
自分のことさえよくわかっていない。
ほとんどの人は自分の才能を把握するという、簡単そうなことが上手くできない。
よく知られている現象として、あなたの運転は上手いですか?と聞かれると、大部分の人が人並み以上と答えるという。
でも仮に自分が何かの分野で、トーマス・サージェントみたいな正真正銘の達人だったとする。
そういう場合、自分は他の分野でもずば抜けた才能を発揮できる可能性が高いか?
膨大な研究が、答えはノーだと言っているという。
これは単純だがとても意味のある教訓である。
何かが上手いからといって、何もかも上手くできるわけではない。
残念なことに自分の知識や能力を超える問題にまで口出しするような人たちは、このことがすっかり頭から抜け落ちている。
自分にはものすごい能力があると思い込んで、知らないことを知らないと認めずにいると、案の定ろくなことにならないのである。
◾️おわりに
どうしても「知らない」とは言いたくなくて、見栄を張って知っているふりをしてしまう時があります。
しかし、最終的に知らないことがバレてしまって、気まずい雰囲気になってしまう。
そんなことにならないように、知らないことは「知らない」と言える自分になりたいと思いました。