『遅読家のための読書術』レビュー 77冊目:自己啓発No.17
『遅読家のための読書術』
著:印南敦史
こんにちは、masamariです。
今回は、印南敦史さんの『遅読家のための読書術』をご紹介します。
◾️じっくり読み込んでも「忘れること」は忘れる
「いくら熟読しても、実際には忘れていることのほうが多い」という現実。
読むスピードと理解度・記憶は、まったく比例しないということ。
つまり、「書評を書くのだから、ゆっくりじっくり読まなければ…」というのは大いなる勘違いであり、ゆっくりじっくり読んだからといって、内容がよりしっかり頭に入るわけではない。
ここはかなり本質的な点である。
そりゃ世の中には類稀なる理解力・記憶力を持った人もいるから、そういう人はたった1度の熟読だけで深い読書体験ができるかもしれない。
しかし、おそらく大半の人は、本を1回読んだくらいで内容を完璧にインプット→記憶するなんてできないはず。
とはいえ、「頭に入っていないことの方が多い」ということは、裏を返せば、「忘れていないものの中に、自分にとって大切な部分が凝縮されている」ということである。
「何か」が頭の片隅に残っているのだとすれば、少なくともその部分が自分にとって必要だということ。
その本から得られる価値のすべてはまさにそこにあり、1冊を読み通したことの意味は、その一節に出会えたことにある。
◾️「スピードが遅い」のではなく「熟読の呪縛」が邪魔している
これが本書の基本となる「読書の考え方」。
実はこれ、習慣的に大量の本を読んでいる人たちにとっては、結構当たり前の感覚である。
「自分は遅読家だ」と感じている人も、まずはこうした「熟読の呪縛」から抜け出すところから始める。
つまるところ、遅読家というのは能力の有無ではなく、読書の捉え方に由来している。
「本を速く読める人」と「遅くしか読めない人」がいるのではない。
「熟読の呪縛から自由な人」と「それにまだとらわれている人」がいるだけである。
大切なのは、その本を読んだ結果として、知識や発見のひとかけらが頭の中に残ること。
ほんの片隅でもいい。
何か印象的なことが1つでも残ったなら、その読書は成功したと考えるべきである。
「全部残さず取り込んでやろう」と欲張らないことだ。
◾️おわりに
私自身、昔に比べれば読むスピードは速くなったかもしれませんが、まだまだ「インプットをたくさんしなければ」という気持ちがまだまだあります。
しかしこれからは、「何か1つでも吸収出来れば成功」という軽い気持ちで、読書をしていこうと思います。
読書量を増やすための考え方やテクニックが紹介されていますので、「自分は読むのが遅い」と悩んでいる方には是非読んでいただきたい本です。