『ビジネスは恋愛だと思えばうまくいく!』読書レビュー 106冊目:ビジネスNo.71
『ビジネスは恋愛だと思えばうまくいく!』
著:野呂エイシロウ
こんにちは、読書好きのmasamariです。
今回は、野呂エイシロウさんの『ビジネスは恋愛だと思えばうまくいく!』をご紹介します。
◾️企画書はラブレターだ!感動する企画書とは?
これまで企画書を読んで感動したことはあるか?
会社の書類だからといって、いつもの無難な書類ばかり作っていないか。
常套句ばかりで、読む前からこんなものだろうとわかっているような退屈な企画書でいい仕事ができると思うか?
退屈な企画書から脱する方法は、ズバリ企画書をラブレターだと思って書くことである。
しかし、最近は実際にラブレターを書いたことも、もらったこともないという人が増えているようだ。
若い頃から携帯電話やメールが普及していれば、なかなかラブレターを書く機会はないのかもしれない。
しかし、人生でラブレターを書くということは大変重要な経験だ。
年齢性別は関係ないので、まだ書いたことがないという人は、好きな人がいたらぜひとも書いてほしい。
著者は幸い、若い頃からラブレターを何通も書いている。
その経験を活かして、『プレスリリースはラブレター』(万来舎)という本を書くほどラブレターに関してうるさい方とのこと。
その経験からいうと、ラブレターの極意、それは想いを伝えること、そして、これからどうしていきたいかを伝えることの二点に絞られる。
それが相手の心をゆさぶり感動させるのである。
そういう意味で企画書を書くという行為は、好きな人にラブレターを書くことと共通点が多いといえるのだ。
ラブレターを書くのに必要なもの、第一は好きな相手。
企画書でいえば、上司やクライアントなど企画書を読んでくれる相手だ。
相手と自分の伝えたい想いがあって、初めてラブレターも企画書も成立するものである。
伝えたい相手の顔を思い浮かべているか?
意外とそのことを忘れている人が多い。
もし企画書に悩んでいるのであれば、誰にあてたものなのかということをもう一度確認してみ
るといい。
著者は、企画書一通で大企業の役員の方々を泣かせることに成功した。
世界中の人々と大きな感動を共有しようという、実現まで数年はかかる大きなプロジェクトのベースになるプランだった。
だから、まずは目の前にいる役員方を感動させなければならない。
そこで著者は、役員方と著者がおそらく共通して「感動した」であろう過去の出来事をまずとりあげて、共感してもらい、そこで「次の感動は御社が創りあげるのです!」という形で相手の心に火をつけたのだ。
まさにラブレターの手法をとりいれて、結果は大成功だった。
◾️ラブレターだから見た目も大事
ラブレターも企画書も、内容も大事だが、相手の心をつかむには見た目も同じくらい重要である。
それなのに、企画書になった瞬間に「急になんでもいいか」みたいになっていないか。
たとえばフォント。
かっこいい書体がいいなと思っても、結局面倒になってデフォルトの明朝体そのままを使っていたりということが多いような気がする。
これがラブレターならばどうだろう。
どんなレターセットがいいだろうかとか、どのペンで書こうか、インクの色は黒か青か.…と悩むだろう。
企画書にもそれくらいの配慮があってもいいはずである。
企画書の見た目は、まず見やすいことが大切。
相手に読む気になってもらわなければ始まらないので、ゴチャゴチャしていない、シンプルで意図が伝わりやすいものにする必要がある。
ワードやパワーポイントにはさまざまな装飾機能が付いているが、その機能を全部使いこなそうと思わない方がいいだろう。
また、伝えたい想いがいっぱいあることは大事だが、詰め込みすぎもよくない。
ラブレターで思いを詰め込みすぎると相手に引かれてしまう。
言いたいことをよく整理して、推敲することが企画書にも、ラブレターにも必要だ。
著者は以前、エルメスの香水をふりかけた企画書を配布したことがある。
そう、企画書は見た目だけではないのである。
「なにかいい匂いがする?」
「企画書から香っている!」
こちらの想いを文字だけではなく五感で感じてもらいたくて行ったが、クライアントは感動してくれ、プレゼンは盛り上がった。
このような仕掛けができるかは、企画の内容にもよるし、毎回できるものではないが、うまくハマるといつまでも相手の記憶に残るプレゼンになる。
香りをつけるというアイデアもラブレターからの応用である。
手紙に香りを焚きしめるのは、平安時代からの日本の伝統なのだ。
平安貴族たちは、恋の和歌をやりとりする紙に香りを焚きしめ、そのセンスを競ったという。
◾️おわりに
恋愛とビジネスを結びつけるなど、考えたことがありませんでした。
相手を思いやる気持ちなどは、確かに共通するものがあります。
恋愛以外にも何かビジネスに活かせるものを探してみるのもありですね。