『鬼速PDCA』レビュー 13冊目:ビジネスNo.9
『鬼速PDCA』
著:冨田和成
こんにちは、masamariです。
今回は、冨田和成さんの『鬼速PDCA』をご紹介します。
◾️著者について
冨田和成さんは株式会社ZUUの代表取締役社長兼CEOです。
一橋大学在学中にIT分野にて起業する。
卒業後、野村證券にて数々の営業記録を樹立し、最年少で本社の富裕層向けプライベートバンク部門に異動。その後、シンガポールでのビジネススクール留学等を経て、2013年に「世界中の誰もが全力で夢に挑戦できる世界を創る」ことをミッションとして現在の株式会社ZUUを設立する。
◾️世間が抱くPDCAの6つの誤解
①簡単だと思っている
PDCAを簡単だと言う人は、本気でPDCAを回したことがなく、簡単なPDCAしかまわしたことがない証拠。
PDCAは、そのPDCA自体も成長していくものであって終わりなどありません。
②管理職向けのフレームワークだと思っている
PDCAサイクルは統計学者が品質改善を目的として考案されたマネジメント手法である。
実際、経営・管理業務・プロジェクトマネジメントには、絶大な効果を発揮する。
そのイメージが強すぎて、「自分がチームを持つ立場になったら考えればいいし、今の自分には関係ない」と思っている若い世代が多い。
③失敗するのは検証(C)が甘いからだと思っている
計画の段階で曖昧な計画しか立てておらず、その結果、振り返りがしたくても大雑把な検証しかできていないというケースがほとんど。
PDCAの5割は計画で決まるといってもいい。
④課題解決のためのフレームワークだと思っている
PDCAは課題解決のひとつの手法である。だからといって、課題がなければPDCAを回す必要がないのかといったらそうではない。
PDCAを回す目的は、最初の計画で立てたゴールを達成することである。
⑤改善さえすれば終わっていいと思っている
PDCAには「階層」があり、人も組織も複数のPDCAを回している。
そして、上位のPDCAほど回し「続ける」ことに意味がある。
大半の人は課題が顕在化したときしかPDCAを回さない。
⑥大きな課題のときだけ回せばいいと思っている
元来、生産管理の現場などで多用されてきたフレームワークなだけに、ボトルネックとなっている生産工程や、多くの課題が予想される中長期のプロジェクトを対象にPDCAが活用されることが多い。
本来、PDCAは複数抱えることができるものであり、しかも、その対象を選ばない。
私自身、上記のほとんどの誤解をしてしまっていました。
自分には関係ないとか、そんな使う場面がないとか、著者が指摘するような勘違いばかりでした。
◾️鬼速PDCAとは何か
PDCAの「A」は一般的に「改善」「ACTION」と呼ばれているが、本書では「調整」「ADJUST」としている。
これはPDCAの実態により近いと思われるため採用されました。
PDCAを回していると新たなPDCAが回り始めることはよくある。
著者はPDCAを「前進を続けるためのフレームワーク」と定義しており、鬼速PDCAはそのPDCAサイクルを高速で回し、より早く前進し続けるための考え方です。
◾️検証に失敗する2大パターン
①検証をしない「やりっぱなし派」
②検証しかしない「形から入る派」
私は①のパターンです。
「とにかくやってみよう」でやって終わりで、振り返りが無いため何が悪かったのかを理解出来ておらず、次の行動に活かせていないです。
かといって検証だけすればいいという訳ではなく、バランスが大事という事ですね。
◾️おわりに
この他にも「PDCAの速さと深さは因数分解で決まる」のように、PDCAとは一見関係ないような因数分解の話が出てきたり、実行(DO)できないケースが具体的に書かれていたりして、読み応えのある本となっています。
また、個人だけでなくチームでの実践方法も書かれているので、チームのレベルアップを考えている方々にもぴったりの本かと思います。
是非、読んで参考にしてみてください。