『メモの魔力』レビュー 15冊目:ビジネスNo.11

『メモの魔力』
著:前田裕二

こんにちは、masamariです。

今回は、前田裕二さんの『メモの魔力』をご紹介します。


◾️メモを「第2の脳」として活用する

◾️メモを「第2の脳」として活用する

前田さんは毎日、尋常じゃない量のメモを取られていて、人が1ヶ月かけて取るメモの量を、平気で1日のうちに取られます。
その理由はいくつかあるのですが、何より大切な理由が、「この残酷なまでに時間が限られている人生という旅の中で、『より本質的なことに少しでも多くの時間を割くため』」だそうです。

そもそも本質とは何かというと、コピーではなく創造、代替可能物ではなく代替不可能物ということです。
クリエイティブで新たな知的生産に繋がる思考や、自分にしか思いつかないような代替不可能性の高い思考のような、価値のある本質的思考に1秒でも多く時間を割くため、前田さんはメモを取っているそうです。

メモやノートは、記憶をさせる「第2の脳」で、いわゆる「外付けハードディスク」のようなものです。
その第2の脳に記憶の部分を頼ることで、自分の脳(第1の脳)に空きを作り、創造力を要することに目一杯使います。

メモ(第2の脳)に蓄積したファクト(事実)が、第1の脳で新しいアイデアを生む種になることもあるので、気付いたことは何でもメモをしておく意識が、創造力を高めるための第一歩なんです。


◾️「記録」ではなく「知的生産」のためにメモをとる

メモには2種類あります。

①記録のためのメモ
②知的生産のためのメモ

①のメモは情報や事実をそのまま伝えたり、残しておくためのメモで、世間一般でいうメモはこれを指します。

しかし、前田さんが本書で強調したいのは②の知的生産のためのメモです。
メモは情報伝達のためでなく、知的生産に使ってこそ初めて本領が発揮されるのです。

本書ではメモを知的生産のために使う方法が説明されています。


◾️メモによって鍛えられる5つのスキル

①アイデアを生み出せるようになる(知的生産性の向上)

大前提となるメモの効用はこの知的生産性の向上ですが、それに加えて、メモにはより直接的・具体的なパワーがあり、本書ではそのパワーについて説明されています。

②情報を「素通り」しなくなる(情報獲得の伝導率向上)

私たちは、自分で思っている以上に、怖いくらいに情報を「素通り」しています。
例えば、日常生活の中で「ちゃんと話聞いてた?」言われたり、逆に「もう一度今の話を説明してもらえますか?」とお願いしたりしたことがあると思いますが、これが情報を「素通り」しているということです。
きちんとメモを取る習慣が身につけると、有用な情報をキャッチするための「アンテナの数」が増えます。

③相手の「より深い話」を聞き出せる(傾聴能力の向上)

メモはPCやスマホでも取れますが、紙のメモを見せられた方が何となく心が近づく感じや、熱、ポジティブな空気が漂う感覚があります。
熱を伝えたいなら紙がベストです。
感情には返報性(跳ね返り)があり、メモを取ることでこちらから特別な敬意を示せば、相手も自分に対して特別な敬意を抱いてくれて、深い話が出来るようになります。

④話の骨組みがわかるようになる(構造化能力の向上)

メモを取ることで、その場で展開されている議論を綺麗に構造化できるようになります。
逆に構造化能力はメモを取る上で必要条件で、上手にメモを取れるようになったということは、構造化能力が上がっている証拠です。
構造化能力とは、常に俯瞰して見られて、議論がどんな状況かを把握する力です。
PCで例えるなら、大きな親フォルダの中にどの情報がどの子フォルダに入るのかを丁寧に仕分けていくイメージです。

⑤曖昧な感覚や概念を言葉にできるようになる(言語化能力の向上)

メモを取るということは、同時に、「言葉にしなければいけない」ということを意味します。
メモを癖にしてしまえば、言葉にすることから逃げられなくなります。
言語化能力を磨くことによって、説明能力も同時に身につけられます。


◾️おわりに

どれくらいメモを取ったらいいかわからないと思いますが、慣れないうちは「聞いたことをすべて書き取る」ぐらいのスタンスでメモを取るべきと前田さんはおっしゃっています。
そしてメモを取る能力を向上させる方法について、具体例や図、前田さんの実際のメモの中身(写真)などを使って具体的に説明されています。
上記でも説明した5つのスキルを向上させたい、メモを取る力をアップさせたいという方は、本書を参考にしてみてください。

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