『問題解決力を劇的に上げる判断力の基本』レビュー 43冊目:ビジネスNo.26
『問題解決力を劇的に上げる判断力の基本』
著:鳥原隆志
こんにちは、masamariです。
今回は、鳥原隆志さんの『問題解決力を劇的に上げる判断力の基本』をご紹介します。
◾️よい判断ができない2つの理由
判断ができないのは、まず2つの理由がある。
1つ目は、「そもそも、判断ができない」で、パターンは以下の3つ。
①考えが堂々巡り
②失敗が怖い
③深く考えすぎる
2つ目は、「判断はできるが、成果が伴わない」で、パターンは以下の3つ。
①すぐに判断を下そうとする
②あいまいな判断をする
③他人に影響されやすい
◾️そもそも、判断ができない
⚫︎パターン①:考えが堂々巡り
判断をして結論に至るには、いくつかのプロセスを経由する。
あるプロセスで止まってしまったり、また戻ってしまったりして結論にたどり着かない人がいる。
例えば最初に「仮説」を立てて、次に裏づけをとるため「情報収集」に進むが、なぜか次の対策立案に行かずに、また仮説に戻ってしまう。
裏づけが取れた情報で確認することなく、またその情報に仮説を立てて、情報を集め出す、この繰り返しの結果、判断をすることにストレスを感じ、いつまでも結論に至らないのです。
プロセスを踏まえた判断を遮る、この障害を取り除くには、同じプロセスを繰り返す回数の制限を設けること。
必要以上に情報を集めない、もしくは情報の裏づけが取れたら悩まずに次のプロセスに進むなど、いわば割り切ることです。
⚫︎パターン②:失敗が怖い
こちらも、プロセスを踏まえた判断をせずに、結論を避ける傾向にある。
誰しも失敗は怖いものなので、無理もありませんが、判断にはリスクは付き物である。
そのリスクに対して過敏になりすぎると、判断を避け、責任を転嫁できるような伝達方法になり、結果的に判断が相手に伝わらないという状況になってしまう。
この傾向にある人は、失敗のリスクというところだけに注目するのではなく、「判断をしない判断」を下すことによって生じる、もっと大きな危険に気づくべきである。
判断をしなければ失敗はしない。
それは大きな勘違いである。
ある意味、「判断を放棄すること」=「自分を捨てるということ」となります。
リスクは明日の自分のために、冒していくべきものである。
⚫︎パターン③:深く考えすぎる
深く考えすぎて、本来判断するべきことを見誤る結果、判断出来なくなるパターン。
深く考えすぎると、物事をより複雑に捉えてしまい、結果的に判断できなくなるという状況に陥る。
もつれた釣り糸を引っ張ったり、ほぐしたりを繰り返すことで、さらに結び目が硬くなってしまうように、考えてばかりいて、物事を複雑に捉えてしまうと、何を判断してよいのかわからなくなってしまうのです。
この傾向を持っている方のトレーニング法は、判断することを明確にすること、そして判断することの優先順位をつけると、正しい判断に行きつく。
◾️判断ができるが、成果が伴わない
⚫︎パターン①:すぐに判断を下そうとする
問題を見つければ即判断。
しかし必要なプロセスをたどっておらず、思いつきや思い込みで判断するため、失敗する確率が多くなる。
判断にはスピードも確かに大事だが、正しい判断を身につけるためには、正確性を考慮することも不可欠。
この傾向にある人は、判断する前に「その判断の根拠は何か?」と5秒考える習慣を持つことで大きく改善する。
⚫︎パターン②:あいまいな判断をする
このタイプの多くは、頭の中で明確な判断をしているにもかかわらず、あいまいな伝え方をするため相手に伝わらない、非常にもったいないタイプである。
この傾向がある人は、判断の伝え方を変えると格段に成果が上がりやすくなる。
特に「短く」、「単純に」伝えて、余計な言葉はつけない。
この3つのことを心がけることが大切である。
⚫︎パターン③:他人に影響されやすい
しっかりとしたプロセスを裏づけ、根拠もあるのに、他の人の判断が正しいように思えて、あっけなくその考えに乗り換えてしまう。
この症状を改善するトレーニング方法は、自身の判断に自信をつけること。
すぐに人の考えの影響を受けてしまうのは、自身の判断軸が揺らいでいる証拠である。
なぜその判断をしたのか、自分自身が納得できるプロセスを経ていれば、揺らぐことはありません。
◾️おわりに
正しい判断を下すには、正しいプロセスを身につけること、そして正しい判断をするためには「自分を知ること」が欠かせない。
本書ではその方法についてわかりやすく説明されています。
正しい判断ができるようになりたいなぁという方は、是非読んでみてください。