『トヨタ最強の時間術』レビュー 56冊目:ビジネスNo.36
『トヨタ最強の時間術』
著:桑原晃弥
こんにちは、masamariです。
今回は、桑原晃弥さんの『トヨタ最強の時間術』をご紹介します。
◾️相手の時間をムダにするな
ビジネスとは、限られた仕事時間の中で、「付加価値を生む時間」をどれだけ増やせるかの競い合いである。
トヨタ生産方式は、付加価値を生まない時間を見過ごすことは、生産性低下を招くだけでなく、「命の浪費」であると考える。
時間は誰にとっても大切です。
しかし、相手が少しでも時間を守らないと苛立つ人も、相手の時間を浪費することには、案外無頓着だったりする。
ことに上司は、部下の時間を浪費して平気な場合が少なくない。
部下やお客様の時間は、相手の命そのもの。
それをムダにしないことは、何より重要な仕事だと言える。
トヨタ式に、「人間を機械の番人にするな」という言い方がある。
機械が動いている間、側で人間がじっと番人のように見守るといった働かせ方は、何の付加価値も生まないムダである。
人間には、人間にしかできない仕事をさせるべき。
そんな工夫もせず、「番人」にするのは命の浪費をさせることに他ならない。
トヨタ式が整理整頓を重視するのも、同様の理由からである。
私たちは、ものを探すためにかなりの時間を浪費している。
でも、トヨタ式の整頓、つまり「必要なものがすぐに取り出せる」状態を保てば、ものを探すという「時間のムダ=命の浪費」は避けられるのです。
トヨタ式は、ムダ取りをすることで人の命を大切にする工夫だと言っていい。
◾️時間よりも動作を見直せ
私たちが「自分の能力不足」で悩む時、その原因のほとんどは自分自身にはなく、仕事の仕組みに由来している。
仕事の仕組みを変えずに自分を責めても効率は上がらないと、トヨタ式は教える。
例えば、トヨタ式に「動きを働きにする」という言い方がある。
私たちが仕事と思っている「動き」の中には、付加価値を生まないムダが意外にたくさんあるものです。
そこを改善せずに、「忙しい」「大変だ」と大汗をかいても、効率は上がらない。
当たり前のことだ。
トヨタ式には、「時間は動作の影である」という言葉もある。
時間を問題にするなら、まず動作を徹底的に分析してみよ、時間のムダをつくり出している動作のムダに着目しろ、という意味である。
結果を改善するには、源流にさかのぼって過程を改善せよということです。
仕事の仕組みや過程を考えず、無理に急ごうとすると、労働強化になってしまう。
仕事は時間を切り売りしてお金に換えることでもなく、肉体を酷使してノルマを達成することでもない。
少しでも楽に働けるように、知恵を出すことである。
精神論や労働強化に走らず、「ムダを省けば自ずと時間は短くなる。そのためには何をどうするか」をしっかりと考え、仕組みを変えていくことが大切だ。
◾️おわりに
「時間のムダ=命の浪費」、こう聞くと時間を大切にしようという気持ちが湧いてきます。
どうすればムダな時間を省けるかを、日常の活動から見直していこうと思います。