『トップ1%に上り詰めたいなら、20代は”残業”するな』レビュー 61冊目:ビジネスNo.40

『トップ1%に上り詰めたいなら、20代は"残業"するな』
著:山口周


こんにちは、masamariです。

今回は、山口周さんの『トップ1%に上り詰めたいなら、20代は"残業"するな』をご紹介します。


◾️マジメであることが最善ではない

「マジメさ」には2種類ある。
それは「自分の人生に対するマジメさ」「所属する組織に対するマジメさ」

東芝による粉飾決算や三菱自動車による組織ぐるみのリコール隠しなどの、陰湿で悪意に満ちたコンプライアンス違反を犯すのは後者、つまり「組織に対してマジメな人」である。

よく「こういった人たちも、組織を背負わない個人として会ってみると、良識に満ちたごく普通の人であることが多い」と言われるが、著者は経験的にこの意見には反対とのこと。
著者がコンサルティングの仕事を通じて、こういったコンプライアンス違反を犯した当事者の人たちと接すると、「組織に対してマジメな人」は徹頭徹尾、自分自身の中に善悪や価値観の基準を持っていない。

あの人はマジメですね、という時、私たちは「組織や社会のルールに誠実に実直に従いながら、責任を果たすために努力をしている人」といったイメージを思い浮かべる。
しかし、そういうステレオタイプな「マジメな人」が、社会的に犯罪としか言いようがないようなコンプライアンス違反を主導してきたのだという事実は、私たちに、一体「マジメさ」とは何なのか?という問いを突きつけてくる。


◾️"スジの良い努力"をする

「スジの良い努力」とはどういうものか、着眼点は2つある。
それは、

・方向が良い
・方法が良い

の2つである。

「方向が良い」というのは、自分の適性やキャリアの方向と努力の内容が一致しているということ
論理的思考力や概念的思考力といったコンピテンシーを持たない人が、知的専門職を目指して努力するというのは「方向が悪い」努力の典型で、そんなことをしても無力感や徒労感が募るばかりで、かえって人生を壊してしまうことになりかねない。

一方で「方法が良い」というのは、努力が効率的に自分の技量や知識の向上に繋がっているということ
例えば一時的運動部でよくシゴキに使われた「うさぎ跳び」は、今日では身体能力を向上させるのに全く意味がないどころか、かえって膝や腰を痛めることになりかねないと知られている。

こういった「ツラいばっかりで実は技量や能力の向上につながらない」努力は、「方法が悪い」努力の典型と言える。

ちなみに、「聞き流すだけで英語が話せる」とか「1日で頭が良くなる」といった「安易さ」を売りにしたスキル系トレーニング教材のほとんども「方法が悪い」努力の典型で、そんなことをいくら繰り返してもあまり意味がないと著者は思っている。

つまり、努力が報われるかどうかは「方向が良い」かつ「方法が良い」という、2つの条件を満たすかどうかにかかっていることになる。

この2つの条件が満たされているのであれば、「努力は報われる」というのが著者の主張である。
これは逆に言えば、それらのうち、どちらかでも欠けてしまうと、それは「スジの悪い努力」ということになり、さらに言えば多くの人の努力は、この2つのうちどちらかを欠いた「スジの悪い努力」になっている、というのも著者の主張です。

何がポイントかというと、つまり「努力」は、努力の行為や修練の内容そのものを取り出して、「意味がある」とか「意味がない」とかは判断できないということを言っているわけである。

その努力がスジの良いものか悪いものかは、その努力をする主体がどのような戦略をキャリアや人生に描いているかによって変わってくる。
これはつまり、立ち止まって自分の人生の戦略を考えることなしに、やみくもに周囲の人がやっているような努力をしているのは大変危険だということである。


◾️おわりに

タイトルに20代と書かれていますが、20代以外の人にも参考になる内容かと思います。
時間を有効活用するにはどうすればいいかや、成長するためにはどんな考え方が必要かなどが紹介されています。
年代を気にせず読んでみていただければと思います。

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