『バカとつき合うな』レビュー 66冊目:ビジネスNo.44
『バカとつき合うな』
著:堀江貴文・西野亮廣
こんにちは、masamariです。
今回は、堀江貴文・西野亮廣さんの『バカとつき合うな』をご紹介します。
◾️機械の代わりを進んでやるバカ
ここで考えてみたいのは、本当の「人間味」とは何だ?ということ。
テクノロジーは日々進歩している。
目下注目を集めているのはAI。
「AIが人間の仕事を奪っていく時代」。
こんな言い方で、AI脅威論が語られている。
しかし堀江さんは、早く奪っていってくれと思っている。
AIには知的労働を、ロボットには肉体労働を。
テクノロジーが人間から労働を奪って、人間が時間的に解放されていく社会を待っている。
みんなが可処分時間を多く持つ社会の方が、絶対に面白い。
もっと多くの人が、労働ではなく自分のやりたいことをやっている社会を早くみたい、と堀江さんはおっしゃっている。
今後、事務や会計など、いかにも機械が得意そうな業務はもちろんのこと、経営や中間管理などのマネジメント業務も、AIに代替されていくだろう。
細部まで見渡せないから経験と勘で判断する人間より、AIのほうが合理的な判断をできる、という時代はもうすぐそこである。
そして、過渡期には、これまで人間がやっていたことを機械がやることについて「人間味がない」と批判する意見が必ず出てくる。
また、人間にその業務をやらせつづけて「ちょっとくらい非効率的でも、人間がやる温かみを大事にしたいんですよね」と言う人が必ず出てくる。
そいつこそは、バカであると堀江さんは言う。
例えば、今さら「洋服を洗濯機で洗ったら人間味がない、手と洗濯板で洗わないとダメ」と言う人はさすがにいない。
おばあちゃんでも言わないですよね。
テクノロジーに対抗を示す人たちは、機械になりたい人たち。
それが経営者なら、人間を機械扱いしたい人たち。
非合理的であることはもちろんのこと、反テクノロジー主義のほうがむしろ、反人間主義である。
◾️空気を読むバカ
TVタレントが軒並み負けていて、堀江貴文さんや落合陽一さんや幻冬舎の箕輪さんといった方々がブイブイ言わせている。
信用度の高い人…言い換えれば「嘘をつかない人」である。
場がシラケようが、立場が悪くなろうが、不味いモノに対して「マズイ!」と言えちゃう人たち。
彼らが日々続けているのは、「お金稼ぎ」ではなくて「信用稼ぎ」で、お金は自分の好きなタイミングで自分の信用を換金して作っている。
「お金」が無くなる未来が今すぐやってくるとは思えないが、「お金持ち」ではなく「信用持ち」が生きやすい世の中になってきたのは明らかである。
そんなわけで、この時代においてなかなか危険な行為は「空気を読む」こと。
一番の問題は、世間一般で使われている「空気を読む」の意味が、「大局を見る」ではなく、「多数派側につく」になっている点である。
つまり、小船と大船があった時に、問答無用で大船に乗り込んでしまう行為が「空気を読む」になってしまっている。
「大船はよくよく見ると船底に穴が空いているし、荷物の積み方もバランスが悪いし、そもそもタイタニック号だし…でも、皆が乗っているから僕も大船に乗ろう」
これは金魚ぐらいの脳ミソが搭載されていればやれてしまう作業だ。
まさかまさか「俺は空気が読める男だ!」と誇れるようなものではない。
"世間一般でいうところの「空気が読めるヤツ」"は、意思決定を大衆に委ねてしまっているので、おかげで、信用することはできない。
本来、「空気を読む」というのは「大局を見て、意思を決定する」という意味で、船の航路、積荷のバランス、残りの燃料、船長の腕…それらすべてを見た上で、自分が乗り込む船を選ぶ作業であるはず。
だが、今は誰もその意味で使っておらず、ただただ多数派側について「俺は空気が読める!」「アイツは空気が読めない!」を議論しているので、ビックリするぐらいバカたと西野さんは思っている。
自由を手に入れたければ、空気を読むバカとか付き合わないほうがいい。
◾️おわりに
今や常識と思われているような事などをバッサリ斬られていますね。
当たり前と思っているようなことが、「本当に当たり前なのか?」と考え直すキッカケになる良い本だと思います。
気になる方は是非読んでみてください。