『考える力とは、問題をシンプルにすることである。』レビュー 80冊目:ビジネスNo.53
『考える力とは、問題をシンプルにすることである。』
著:苅野進
こんにちは、masamariです。
今回は、苅野進さんの『考える力とは、問題をシンプルにすることである。』をご紹介します。
◾️"教師的" "学生的"思考は捨ててしまっていい
私たちは小さな頃から問題を疑うことなく、すべてを受け入れて「解くこと」を勉強として取り組んできた。
解くことについて、いかにスキルを上げさせるかが教師の腕として評価され、もちろんどれだけ解けたかが学生の評価になる。
しかし、現実の問題は違います。
問題だと思って取り組んだけれど、解いたところで効果がなかった。
全く気づかなかったところに、解くべき問題があった。
という状況が普通です。
むしろ、「どういう問題を設定するか」ということを考えるのが、主な作業になる。
学生の延長で「明確な問題を与えてほしい」と考えたり、出題者のように「明確な問題を与えてやろう」という場合、それはもはや、問題解決ではなく、すでに誰かが解決した問題を繰り返して処理するだけの「作業」である。
プログラミングにより、ロボットに行なわせることが、最も簡単に実現してしまう分野とも言える。
私たちは、苦戦しながらも「正しい問題は何か?」を考えていく姿勢を身にけなくてはならない。
◾️"実行"よりも「捨てること」が難しい
問題設定の能力では、「これをゃったら良いのではないか?」ということに気づいて実行するよりも、「これは後回しにしよう」「これには手を出さない」「ここで切り上げよう」という捨てたり、撤退することのほうが難しいものである。
「モレなくダブりなく」を目指してじっと作業していると、なんとなく仕事をしている気分になりがちだし、周りへの言い訳にもなりそうである。
しかし、それにより時間というコストを払い続けていることに注意しなければいけない。
だから、「モレなくダブりなく」も、あくまで限度のあるチェック項目として意識すべきものなのである。
著者は、小学生から高校生までの学習指導に関わっていますが、特に受験を迎える生徒、保護者に伝えていることがある。
それは、受験で学ぶべきは、ゴールに対して自分の現状の能力と期限を考えながら勉強計画を立てること。
特に、何を後回しにして、何をやらないかを判断する力を養うのが大切だということである。
これは、社会に出て最も重要になる能力のひとつだと言えるからです。
ですから、「合格すればいい」ということで能力診断から学習計画まで、他人に丸投げしているようでは全くの時間のムダだということである。
もちろん、理想論で「あれもこれも」とすべてを均等にやるということは、実はものをあまり考えていない、筋の良くない戦略なのです。
◾️おわりに
本のタイトルにもあるように、考える力をつけるには、問題をシンプルにするスキルが重要である。
シンプルにするためには、まずは不要な情報を整理すること。
どうしても考えるために情報を集めてしまいがちですが、情報が多すぎると答えを出すのに時間がかかってしまいます。
シンプルに考えられるように、スキルを磨いていこうと思います。