『新・独学術』レビュー 82冊目:自己啓発No.20

『新・独学術』
著:侍留啓介


こんにちは、masamariです。

今回は、侍留啓介さんの『新・独学術』をご紹介します。


◾️圧倒的に「学習量」が足りない日本のビジネスパーソン

世界のビジネスエリートが集う(とされている)ビジネススクール(MBA)でも、そこにいるほとんどの人は凡人。
実際、ビジネススクールに通う生徒の間では、「I'm not a rocket scientist.」(私はロケットサイエンティストみたいな天才じゃない)という冗談まじりの(しかし本音でもある)発言が頻繁に登場する。

著者の感覚からすると、地頭だけでいえば、日本の一般的なビジネスパーソンと海外のMBA生らのレベルはそれほど変わらないとのこと。
例えば、MBA生であってもコンサルタントであっても投資銀行員であっても、そこで使っている分析ツールはほとんどがエクセル。
凡人には理解できないような複雑な計算や論理立てをしているのではなく、つまるところ小学生でも理解できる四則演算のレベルで仕事をしているわけである。

しかし、海外のプロフェッショナルと比べて、日本のビジネスパーソンが明らかに劣っている点がある。
それは「学習量」
知識のインプットと論理トレーニングの量において、海外のプロフェッショナルと日本のビジネスパーソンとでは大きな差がある。

ビジネススクールに通うと、一晩で100ページくらいの課題文を読み、超早口で英語をまくしたてるクラスメイトと討議し、10枚ほどのレポートにまとめるという作業を毎日毎日繰り返す。
ビジネススクールだけではない。
外資系のコンサルティング会社の多くでも同様に、毎日大量のインプットとアウトプットを繰り返している

プロジェクトに入ると、まずは数日で関連書を10冊以上読みこなし、その後、仮説をもとに専門家や顧客にインタビューを行い、それを数十ページのスライドに落とすというルーティン(基本動作)を毎日重ねる。
つまりビジネススクールにせよ、コンサルティング会社にせよ、大量の知識のインプットと、議論を深めるための論理的思考が要求されるわけである。労働時間とプレッシャーだけでいえばブラック企業なみだ。

それに比べ、日本の一般的なビジネスパーソンはどうか。
もちろん会社や個々人によって状況は異なるが、MBA生やコンサルタントほどの大量のインプット、アウトプットを毎日積み重ねている人はほとんどいないのではないか、と著者は思っている。
特にビジネススキルの核となる「知識」と「論理」については、磨き方も含めて、体系立って学ぶ機会がほとんどない。


◾️「知識が増えれば「視野」が広がる

賢くなるために、最も重要なのは「知識」
知識がなければ出来事や情報を解釈することができない。
ビジネスに関係のない、不要な知識だと思っていたことがのちのちビジネスに役立つことは多々ある。
その意味で、知識、それも社会やビジネス全般に関係する膨大な知識を身につけることは、賢さを身につけるための必須条件である。

著者は葉巻(シガー)愛好家なので、葉巻を例にとる。
仮に自分が、シガーバーに行ったとする。
そこには数多くの葉巻が置いてあるはず。
一本数百円のものから、数千円のものまであるはず。
では、そこで、自分に合った最高の葉巻を選ぶことを考えてみる。
もし自分に葉巻についての知識が一切なければ、そもそもどう選べばいいかすらわからないのではないか。

たとえIQが高かったとしても、品質、味の違いなど想像もできない。
複数の葉巻の銘柄を見ても、何がどう違うのかわからない。
これが知識のない状態、そしてそれゆえに物事の評価や判断ができない状態である。
また、「仮にシガーバーに行ったとする」と言ったが、そもそもシガーバーなんてどこにあるのかもわからないかもしれない。
あるいは、いつも通っているバーに、最高級のキューバ産葉巻が置かれていることにも気づいていないかもしれない。

つまり、知識がなければ、現実の物理空間で起こっていることを認識することもできないのである

逆に、葉巻について詳しい知識があればどうか。
入ったバーに葉巻が置いてあるのに気づくことはもちろんのこと、保管状態を見れば、その店がどれくらい葉巻を丁寧に扱っているかを理解することもできる。

さらに、バーテンダーや隣の客と話すことであなたの葉巻の知識をもっと増やすこともできるかもしれない。
さらに言えば葉巻ひとつから世界情勢に思いをはせることも可能である。
例えばコイーバ(キューバの最高級ブランド)の入荷状況を知れば、米国とキューバの政治的関係を推察できる。
両国の関係が改善すると、日本ではなく米国への流通が増えるため、日本、とくに地方での入手が困難になるからである。

つまり、知識があればより多くの物事を認識したり適切な判断を行ったりできるだけでなく、そこからさらに深い知識を身につけることも容易になる。
同じことが、ビジネスについても言える。
基本的な経済や政治用語、哲学や心理学の概念がわかっていなければ、この世の中の動きを正確に認識したり、解釈を加えることはできない。
逆に言えば、知識があれば、ほかのビジネスパーソンも読んでいる日経新聞を読んでいても、より深いレベルで理解し、見識を広げ、ほかの人が持ちえない視点で説題明することができるわけである。


◾️おわりに

私自身もまだまだ「学習量」が足りないです。
プライベートでもスマホを触ったり、テレビを見たりする時間が多いです。
その時間を勉強時間に当てて、「知識」をつけていきます。
そして、ある程度「知識」がついてきたら、テレビなどの娯楽時間を増やしていければいいかなと思います。
「知識」が増えれば、テレビの見方も変わってくるかもしれないですね。

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