『「思考の整理」全技術』レビュー 98冊目:ビジネスNo.65
『「思考の整理」全技術』
著:生方正也
こんにちは、masamariです。
今回は、生方正也さんの『「思考の整理」全技術』をご紹介します。
◾️「目的」を考えのガイドラインにする
「目的をしっかり意識する」。
仕事に限らず、何らかの行動をとるときの出発点といっても過言ではない。
見方を変えると、何らかの行動をとっているのは、その目的を達成したいからである。
特にビジネスシーンのように結果が求められる場面では、目的を明確にしておかなければ生産性を上げることはできない。
目的を明確にできていると、次のようなメリットがある。
①無駄をなくすことができる
目的がはっきりしないときに起こりがちなのが、「議論のための議論」「分析のための分析」といったことである。
こうした行動がすべて無駄だ、というのは言いすぎかもしれないが、時間がない場面ではつくり出すべきアウトプットと関係のないことには時間をとりたくないものだ。
目的を明確にできていれば、こうした無駄をなくすことができる。
②考えの自由度を高めることができる
目的が明確になることと自由に考えることでどんなつながりがあるのか、と違和感を持たれるかもしれない。
しかし、意外にもより自由な発想をすることができる。
目的を明確にするということは、目的の節囲内ならどんなアイデアもひとまずは認められるということである。
ここで目的がはっきりしていなければ、そうした範囲もはっきりしなくなる。
範囲がはっきりしないと、自分で枠をつくってしまい、独創性のあるアイデアを考えるのが難しくなる。
自分の中で勝手に作り上げてしまう枠を外すという点でも、目的をはっきりさせることは大切になる。
◾️「目的」はどう設定すればよいのか
「目的をはっきりさせる」ときの「目的」をどのように考えているか。
その目的は適切なものなのか。
どのような観点で目的をとらえているか。
当たり前のことを聞いているように感じられるかもしれないが、実はここが大事なポイントなのだ。
適切な目的を設定するための考え方を2つ紹介します。
①未来志向で考える
目的は本来、未来志向のものであるはず。
つまり、ミーティングの目的は、ミーティングが終わった後に関するものでなければならない。
丁寧にいえば、「ミーティングが終わった後で何が実現できているか」を説明したものが、その会議の目的になる。
これはどんな活動でも一緒だ。
資料作成の目的は、資料を完成させることではない。
完成した資料を読んだ人がその内容を理解し、次の判断や行動につなげることである。
同様に、顧客からのクレーム電話への対応の目的は、顧客のクレームを聞いて対応することではない。
顧客と自社の認識の違いを解消し、顧客の持つ不満を取り除くために必要なものは何かを理解することである。
このように、すべての活動の目的は、それが首尾よく終わった後で実現できることに他ならない。
②何の目的かをはっきりさせる
今自分がしていることの先を見据える、というのが適切な目的の押さえ方です。
どのような業務でも、自己完結するものはありません。
何か業務が終わったら、それをもとに別の人が別の業務に取り組むことになる。
このように考えると、自分がしている業務の先を想定した目的を考えることが必要になる。
そのためにすべきなのは、目的を明確にしたい行動は何かをはっきりさせることである。
この目的をはっきりさせたい行動がはっきりしていなければ、目的を明確にすることなどできません。
よく「人生の目的は何か?」という言葉を耳にするが、さすがに人生のような漠然としたレベルでは、目的を明確にすることはなかなかできないだろう。
同様に、いろいろな業務を統括している部長に「部長の目的は何ですか?」と聞いても、すんなり答えることはできないだろう。
それぞれの業務で目的は違ってきて当然ですから。
仮に出てきたとしても、「部をよくすること」「部の業績を上げること」といった漠然としたものになるでしょう。
でも、それは対象がはっきりしていないから仕方ないことなのです。
「何の目的か」をはっきりとさせておくことが大切だ。
◾️おわりに
「困った場面」→「対処法」→「概念」→「うまくいかないパターン」→「コツと注意点」→「発展」という順番で説明がされてて、イメージもしやすいかと思います。
考える力を身につけたいという方は、是非読んでみてください。