『悩みごとの9割は捨てられる』読書レビュー 123冊目:自己啓発No.30
『悩みごとの9割は捨てられる』
著:植西聰
こんにちは、読書好きのmasamariです。
今回は、植西聰さんの『悩みごとの9割は捨てられる』をご紹介します。
◾️おだやかな心が問題解決の早道になる
人生には様々な問題が生じる。
思ってもみなかった仕事上のトラブルに見舞われたり、気をつけていたにもかかわらず人間関係がギクシャクしてしまったり、他人のしでかした失敗に巻き込まれ、迷惑をかけられることもある。
予期しないことが起きると、人はパニックになり、感情的になりがちだ。
イライラして周りの人に八つ当たりしてしまうこともあるだろう。
起きてしまった問題を解決しなくてはいけないのに、感情的になってしまったことにより、むしろ問題をこじれさせ、解決するどころではなくなってしまう場合も少なくない。
このとき、おだやかな気持ちで起きてしまった問題を受け止めることができれば、おだやかに関係者と話し合い、冷静に賢明な解決策を見つけ出すことができる。
アメリカの牧師であり、成功哲学の本を数多く著しているジョセフ・マーフィーは、次のように述べている。
”おだやかな心が問題を解決します。
怒り、悲しみ、嫉妬に狂った心は、問題をますます混乱させます。
問題を解決したいときは、心をおだやかにすることが大切です。”
問題が生じたときは、まず気持ちをおだやかに保つことを心がける。
◾️温かい心があるからこそ冷静な頭脳が活きる
「クール・ヘッドとウォーム・ハート」という言葉がある。
問題を解決する際に大切な心がけの一つとして、イギリスの経済学者であるアルフレッド・マーシャルが最初に提言したと言われる。
「クール・ヘッド」とは「冷静な頭脳」、要は「冷静に考える」ということ、そして「ウォームハート」は「温かい心」という意味。
つまり、「クール・ヘッドとウォーム・ハート」とは、「温かい心を持ちながらも冷静に考えるからこそ、腎明な解決策が見つかる」ということになる。
「温かい心を持ってこそ、感情的にならずに、冷静に物事を考えることができる。それが結局、問題解決のいちばんの早道となる」ともいえる。
「温かい心」を持たずに、自身の感情や考えを優先し、問題の責任を他人に押しつけ、激しい口調で非難しているようでは、物事を冷静に見ることはできない。
まずは相手の話を聞き、受け入れたうえでおだやかに話し合い、一緒に問題を解決する仲間として接することで、問題の本質に目を向けることができ、本当の意味でよりよい解決策を見つけられるのである。
「ピンチはチャンス」と言われるように、問題が起きたということは未来にとってはチャンスだ。
自分のことだけを考えるのではなく、みんなのためにもっともょい解決法は何かを、愛情のこもった温かい心でおだやかに考えることが大切である。
温かな、おだやかな気持ちを持ってこそ、「冷静な頭脳」が活きるのだ。
◾️カ尽くでは人は説得できない
イソップ物語に、『北風と太陽』という話がある。
北風と太陽が、どちらのほうが力が強いかを決めるために、ちょうど下を歩いていた旅人のコートを脱がせる競争をすることになった。
まずは北風が、冷たい風をビュービュー吹きつけ、コートを吹き飛ばそうとしたのですが、旅人は負けじとコートのえりをしっかり押さえてしまったため、結局、脱がせることができなかった。
次に太陽が、おだやかで温かな光をさんさんと旅人に降り注いだ。
すると、旅人はすっかり暑くなって、コートを自分で脱いでしまった。
太陽が北風に勝ったのである。
人は、攻撃されると自分を守ろうとする。
相手が自分の意見を押し通そうと強く出てくると、何かあるのではないか、自分が不利な立場にならないようにしないといけない、などと考え身構える。
反対に、相手が歩み寄ってくれていると感じると、話を聞いてみよう、と受け入れることができる。
相手を説得したいとき、協力をしてもらいたいときは、権力をふりかざしたり、相手の弱みに付け込んだりなど力尽くで行うのではなく、おだやかに温かい態度で接するようにしよう。
そうすることで、相手は拒絶することなく、話を聞いてくれるし、前向きに取り組んでくれる。
そこからよりよいアイデアが生まれることもあるだろう。
太陽は、まさにおだやかで温かい態度で接したから勝てたのである。
◾️他人の欠点やミスを探さない
「他人の過失を探し求め、常に怒りたける人は、煩悩の汚れが増大する」
これは、仏教の創始者であるブッダの言葉である。
ブッダが生きていたのは、紀元前5世紀頃。
つまり、この言葉も約2500年前のものだが、人の心の持ち方を鋭く突いている。
他人の欠点やミスを目ざとく見つけては、「あなたが悪いからうまくいかない。私はとても迷惑している」などと非難し、怒ってばかりの人がいる。
こういう人は、いつも他人に対する怒りの感情から、イライラ、カリカリして心おだやかには生きていけなくなる。
他人の欠点やミスを見つけ出すことに夢中になっていると、人の悪い面ばかりを見るようになってしまう。
その結果、常にイライラし続けることになる。
これでは、心が休まる暇なんてあるはずがない。
他人の欠点やミスを見つけ出すことに夢中にならないこと、そして、他人の欠点やミスに気づくことがあっても、怒りをぶつけるのではなく、理性的に指摘するよう心がけることが大切である。
むしろ、逆に他人のいいところに目を向けたほうが得策だ。
自ら煩悩を汚す必要などないのである。
◾️おわりに
悩みや問題を解決しようとする時、まず心を落ち着かせることが大切ということですね。
確かに焦ったりしている時は、冷静に考えることができないですし、冷静に考えられていない状況では、正しい判断も出来ないでしょう。
本書では、そんな心を落ち着かせる考え方が紹介されています。
気になる方は是非読んでみてください。