『WORK MODELS』読書レビュー 132冊目:ビジネスNo.91

『WORK MODELS』
著:太田英基


こんにちは、読書好きのmasamariです。

今回は、太田英基さんの『WORK MODELS』をご紹介します。


◾️就活生や若手社会人がやりたいことが見つからない理由

やりたいことなんて、わからなくて当然である。

私たちはいったい、この世界のことをどれだけ知っているのだろうか?
この世の中に無数にある仕事の種類、業界、企業、国家、宗教、民族、言語、技術などをどれだけ知っているのか?
何十年も意欲的に社会経験を重ねてきた人ならまだしも、まだ社会に出てもいない若者ならば、50階建てのビルのエントランスにいる状態である。
そんな状態で「君のやりたい仕事は何階にあるの?」と訳かれても意味不明でしょう。
私たちはまだ、この社会を1ミリも知らないのである。

社会人になって仕事を始めて数年経った人も疑問を持ちはじめる人が多い。
「本当にこれでよかったんだっけ?」と、ふと気づく。

エントランスから先に入ったこともない大きなビルのドアを開いて縦横無尽に駆け巡ってきた数年間。
しかし、残酷だけれどもしかしたら、本当にやりたかった仕事はそのビルにはなかったのかもしれない。
実際に中に入って仕事を始めたら事業内容はもちろんだが、やはり組織のスタイルや共に働く同僚や上司との人間関係はとても重要な部分となる。
そこに関しては入社するまでほぼわからないと言っても過言ではない。
だから入社したあとにミスマッチが起こる企業が多いのも納得できる。

では、どうすればいいのか?
自分の納得できるやりたい仕事や働き方はどこにあるのか?
どうやったらそれを見つけて、実現していけるのか?

大切なことは2つ。
1つは、自分のやりたいことを探し続けていくこと。
この多様な世の中において、「自分の知らない範囲」を少しずつ「自分の知っている世界」に塗り変えていくこと。
運が良ければとても身近なところでやりたいことに出逢う人もいるかもしれないし、30歳を過ぎても、40歳を過ぎても出逢わないるかもしれない。
それでも、探し続けていくしかない。
探そうとしない人には見つかる可能性は1%も与えられない。

2つ目は、経験と実績を積んで、自信を育てていくこと。
やりたいことと出逢う瞬間が訪れた時に、しっかりと向き合って実行、実現していけるだけの自信を持てているかどうかとも言える。
自信とは、自分を信じると書く。
いつか登りたい山が見つかった時に「いまの自分じゃダメだ。鍛え直そう……」ではなく「この瞬間を俺はずっと待っていたんだ!今すぐ登りはじめるぜ!」と迎えられるように、多くの経験をし、実績をつくっていく。
「チャンスを掴める人」とは、すでにチャンスを掴むための「準備ができている人」のことである。


◾️自分のキャリアは、MUST + WANT = BESTで考える

今していることは、なりたい自分になるために本当に必要なことか?
残念ながら、私たちの人生の時間は限られている。
無念にも僕たちの寿命はせいぜい100年。
社会人としてフルパワーで仕事ができる期間は40年〜50年くらいでしょう。

だから、ただ漠然と「成長する」のでは、本来目指すべき自分の姿にとって不必要なことに時間を消耗している場合があるから注意が必要である。
例えば、「将来は日本料理屋の世界展開をしたい!」という夢がある人が金融業を極める必要性があるのか?
金融知識については専門家や精通している仲間がいればいいので、自分自身はもっとダイレクトに日本料理屋の世界展開を学べる環境に行くべきではないか?
例えば、「○○なサービスをつくるんだ!」という夢がある人が営業職を極める必要性があるのか?
こちらも営業は他の人に任せて、自分自身はウェブサービスをつくる技術を学ぶべきではないか?

こういったことをなぜか成長企業で働く優秀な人たちほど、見失いがちになっているのではないか。
もちろん、熟考した結果として選んでいるのであれば問題ない。
ただ、多くの人は「まだこの環境で成長できると思うから」「まだここでやれることがある」という理由だけで思考が止まっている気がしてならない。
立ち止まってみて、「本当にやるべきことは、今いる環境でできるのか?」「そもそも本当になりたい自分は見つかっているのか?」「見つかっていないなら探し続けているのか?」を問い直してみることが大切だ。

仮に「制限時間10時間で、ドラクエで最強の戦士を育ててください」というお題が出たとする。
そして、自分で戦士の各能力値を上げるための育て方を選べるとする。
当然、「まりょく」や「かしこさ」などの能力値は二の次にすべきで、後回しだ。
「ちから」や「たいりょく」に注力していけばいい。
もちろん、制限時間がなければ、どの能力をレベルアップしていってもいい。
しかし、残念ながら時間は有限である。

このお題はまだ楽な方だ。
なぜなら、「自分は何者になればいいのか?」がわかっていて、しかもドラクエの世界では必要な能力値もわかりやすいからである。
では、このお題を現実世界に置き換えるとどうか?

人間はすごい生き物で、すべての事柄から学ぶことができる。
何をしていても、何かしらの経験値を積んで能力はレベルアップしていくでしょう。

しかし、残念ながら現実の世界にも、もちろん時間には限りがある。
「自分は何者になればいいのか?」をわかっていなければ、時間は非効率的に過ぎていく。

いたずらに時間が過ぎてしまうことを防ぐために、なりたい自分になるための方法についてだが、「WANT」を通して「MUST」もクリアすることができる。
このような選択肢を「BEST」と呼ぶ。

3年後でも5年後でも10年後でもいい。
まずは「なりたい自分のイメージ(FUTURE)」を描き、現時点での自分とのギャップが何なのかをリストアップする。
それがそのまま 「MUST」のリストになる。
なりたい自分になるために得たい経験やスキルがそこには書いてあるはずである。

次に、根拠なんかなくていいから、「やってみたいこと」をリストアップしてみる。
純粋に自分がやりたいと思えることを挙げてみる。
目先のやりたいことでもいいし、死ぬまでにやりたいことでも構わない。
それが「WANT」のリストになる。
人は「WANT」だけを追い求めても、「FUTURE」には辿り着かないことが多い。
しかし、「WANT」は根拠なく自分をワクワクさせてくれるものであり、モチベーションの源泉でもある。
だから、この「WANT」は無視してはいけないポイントである。

やるべきことはこの「WANT」の中で、「MUST」のリストも一緒にクリアできないかを考えること。
自分のやりたいことを追い求めていたら、将来なりたい自分になるためにやるべきことも身についているなんて最高の選択肢でしかない。
一度きりの人生なのだから、ワガママで贅沢でいいだろう。
諦めたり、妥協ばかりの人生ほど振り返ってつまらないものはない。


◾️おわりに

やりたいことが見つからないという人は多いと思いますが、若くて経験を積んでいない人や、行動を起こしていない人は見つからなくて当然でしょう。
行動して経験を積んでいかないと、世の中にどんな事があるのかがわからないからです。
私自身も何をしたいのかわかっていないので、どんどん経験を積んでやりたいことを見つけていこうと思います。
私みたいにやりたい事が見つかっていないという方は、本書を参考にしてみてください。

太田英基(著)

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