『ビジネス・フォー・パンクス』読書レビュー 134冊目:ビジネスNo.93

『ビジネス・フォー・パンクス』
著:ジェームズ・ワット


こんにちは、読書好きのmasamariです。

今回は、ジェームズ・ワットさんの『ビジネス・フォー・パンクス』をご紹介します。


◾️人の話は聞くな アドバイスは無視しろ

人に口出しするのが大好きな人達がいるが、著者はそれを無視するのが大好き。
他人のアドバイスが欲しいという人にアドバイスを贈るとしたら、無駄なことはやめろと言う。
頭を冷やした方がいい。
成功するために必要なのは、自分のやり方をわかっておくことである。

会社を始める時は絶対に、知り合いでも、知らない人でも、誰もがいきなり訳知り顔であれこれ言い出すもの。
無視していい。
理想を曲げず、自分のやり方をしっかり固めて、その人達を黙らせる。
行き先が決まっているのなら、行き方は自分で決められる。
頭の悪い知ったかぶりは「おととい来やがれ」だ。
その人達は本当は何も知らない。
自分の商売のことは他人にはわからないし、絶対に自分の方がよく考えている。

会社がどうなるにせよ、ビジネスのカリスマを装った片手間の素人ではなく、自分が決断を下した結果であるべきである。
こういうニセ実業家は「失敗から学べ」と吹き込んでくる。
だが、それは負け犬のやり方である。
失敗にも少しくらい学ぶことはあるかもしれないが、そのことを慰めにするのは、自分の未熟さを正当化しようとする弱い人間の浅知恵でしかない。
失敗から学べるのは、実力が足りないということと、もっと実力が必要だということだけである。
はっきり言って、意味のある学びは成功の中にしかない。

本当に失敗してしまったのなら、何か学ばうとして時間を無駄にするより、しっかり頭を働かせ、手遅れになる前にさっさと挽回すべきだ。
必要なのは、事業のことをしっかり把握して、隠れた問題が大きくなる前に見つけ、脅威にならないうちに芽を摘むことである。
それができなければ、絶体絶命のピンチがやってくる。

自分のやり方を通すのはまったく簡単なことじゃない。
だが、最後には報われるし、「どうだ、オレが正しかっただろう」と言いながら乾杯したっていい。

とにかく信じることが大切である。
自分の考えを強く信じるほど、他人の言うことに頼らなくてよくなる。
自分の考えが素晴らしければ、その分、他人の言うことはどうでもよくなる。
自分がどんな世界を実現したいのかは、自分でわかっている。
ずっと心に描き、温めてきた世界なのだから。
実現するのはただひとり、自分だけである。
他人の思いつきと入れ知恵を切り貼りしても、ろくな結果にならない。
自分が先頭を走れる時に、誰かの後ろに続こうなんて考えなくていい。

人の話など聞く必要はない。
まじめな話、自己流でやるべきである。
110%でのめり込まなければ、他人は見向きもしてくれない。
だったら、自分の好きなように、自分のやり方でやるしかない。
そして、自分が情熱を感じる物をつくり、自分がいつまでもいたくなる場所を生み出し、自分が最高に受けたいと思うサービスを客に提供するのである。

夢中になって、周りが見えなくなって、他のことがわからなくなるまで没頭しても、大当たりを出せるとは限らない。
それでも、どこまで打ち込めるかが成功と失敗の分かれ目になる。
何より頼れるのは自分自身、そして事業にかける自分のまっすぐな信念と熱意である。

他人のアドバイスを無視するのと同じように、現実に気を取られずにいることも必要だ。
現実などというものは意味のない、ただ言い訳に使うための単語にすぎない。
何もしない自分を弁護する方便とも言える。
人並みであることを美化して、ハードルを人並みに下げておくための言葉と言ってもいい。
無視すればいい。
「クソ食らえ」と言って、頭の中から消してしう。
そんなものに価値はないのだから。



◾️事業計画なんか時間の無駄だ

計画というものは見かけ倒しの当て推量でしかない。
長期計画は無意味で勝手な空想である。
時間を無駄にしてはいけない。

2006年に著者の友人が事業計画を立て始めた。
著者と彼は数カ月前に会ったのだが、その後どうなっていたか?
なんと、偉大な計算屋くんは、まだ計画づくりに精を出していた。
一方、ブリードッグは世界展開して社員も500人を超え、そんな悲劇とは無縁だった。
かしこまった事業計画という悲劇である。

必要なのは、会社の力強い使命と、財務に対する十分な理解、瞬時の対応力だ。
事業計画なんていらない。
企業は日々、2種類に選別される。
機敏な企業と、死ぬ企業である。
さっさと前に進めないなら、降参するしかない。
自力で瞬間移動ができないなら、次の宇宙船が現れるのを野原で待つしかない。

私達はハイスピードの世界に生きていて、人生はあっという間に進んでいく。
小規模企業やスタートアップが長期計画を立てても実現するわけがない。
必要な変数をすべて把握し続けることなど不可能である。
賞味期限切れの計画書をいちいち確認するより、瞬間的に判断する方が重要だ。
だから先の計画なんて立てず、今、全力を尽くすことである。
まず行動し、あれこれ考えるのは後にする。
どうせ、細かいところまで完壁に計画したところで、ハイスピードで物事が動き、それが絡み合って変化を生む今の世界では、計画など実行する暇もないまま無用の長物になるだけである。



だから、スピード狂になって、スピード感を頭に叩き込む。
変化を受け入れ、対処するのである。
速く、恐れず、率直に。
必要なのは行動で、計画を立てることじゃない。
行動が遅れれば、その行動に周囲の反応が表れるのも遅れる。
周囲の反応は、今後の決断と戦略に生かすことのできる莫大な価値のある情報である。
厳密さを捨て、勇気を持って、大胆に、固い意志で行動し、市場と顧客の反応によって今後の自分の行動に磨きをかけ、精度を上げていくべきだ。
実践には計り知れない価値がある。
実践から学び、決断することで戦略を形にしていく。

決断をする時は、魅力的で、大きな使命を指針にすべきである。
過去に立てたくだらない計画ではない。
まず行動し、分析は後でいい。
ときには「知らぬが仏」ということもある。
知れば知るほど、他の人達がはまったのと同じ罠に捕らわれやすくなる。
著者がブリュードッグを立ち上げた頃は、物事がどう進むことになっているか知らなかったから、ただ自分のことをだけをやり、他人が通ったことのない、自分たちにとってずっと効果的な道を見つけられた。
もっと経験があったら、他の人達と同じ間抜けなやり方をただ繰り返していたかもしれない。
未熟さと熱意が前に進む原動力になったのである。
学習速度はメーターを振り切っていた。
動きを柔軟にしておくことで、目標が達成できる。
財務関係の数字だけしっかり把握したら、後は自分の使命を信頼することだ。
使命は羅針盤となり、地獄や荒波の中で進路を保つ助けになる。
覚悟を決めて、信念を貫く。


◾️おわりに

「アドバイスは無視しろ」や「計画なんて時間の無駄」は衝撃的でした。
今までは「人の忠告は聞いた方がいい」とか、「計画は大切」と聞いていたので、それを全否定された感じです。
しかし、これからの時代は今までの常識を壊していくことが大切なのかもしれないですね。
新しい考え方や何か変化が欲しいと思っている方は、是非読んでみてください。

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