『自分は自分、バカはバカ。』読書レビュー 141冊目:ビジネスNo.100

『自分は自分、バカはバカ。』
著:ひろゆき


こんにちは、読書好きのmasamariです。

今回は、ひろゆきさんの『自分は自分、バカはバカ。』をご紹介します。


◾️「みんな」より「自分だけ」でできることのほうが多くね?

おしゃべりが上手くて社交的、誰とでも仲良くやっているように見える人がいる。
人付き合いが苦手な人は、「ああいう人になりたい」とうらやましくなるかもしれない。

「人はひとりでは生きていけない」
日本では、よくこう言われるからである。
「たしかにそうだ」と、素直に納得する人もいるだろう。
でも逆に「何かしっくりこないな」と感じる人もいるのではないか。

「人はひとりでも生きていけるんじゃないの?」と感じる理由は、皆さん自身が「ひとりでいることが好きで、他人とあまり関わらなくても、人生何とかやっていけているから」とか、そういうことだけではないと、著者が個人的に思っている。

最近では、仕事でも、プライベートでも、多くの人とあまり関わらずに自分ひとりでできる領域がかつてより拡張している。
著者は、ネット巨大掲示板「2ちゃんねる」の元管理人だったり、「ニコニコ動画」を作っていたり、最近では英国圏最大の匿名掲示板、「4chan」をやったりしている。

そんな感じで、システムを作ったり、ネットをながめたりしている。
毎日会社に行って、社員の人たちと顔をあわせて一緒に働かなくても、「自分ひとり」だけで、家にいながら自分のペースで働くことができる。

かつての日本には、「ムラ社会」という言葉でよく表現されるような地域共同体が存在した。
つまり、「ご近所さんの顔と名前は全部わかる」くらいの生活に根差したコミュニティである。

これは、地方の田舎だけではなくて、東京のような都市部にもあった。
「ALWAYS 三丁目の夕日」という映画があったが、あの作品で描かれている近隣住民との関係が濃い「地域共同体」が、昭和後期くらいまでの日本にはあった。


◾️バカと戦略的に距離を置く技術が最強の人生戦略である

周囲の他人をムダに気にしないメンタルスキルは、AI技術がどんどん発展して、人間の仕事が奪われると言われる昨今、重要性が増している。
そんなご時世では、かつての日本のように、単純労働をしているだけで、給料が増えていくことはありえない。
「誰にできる仕事」は、もっと安い時給の誰かのところに行くわけだから。

今後、日本社会の全体的な傾向としていえるのは、日本企業の給料はそんなに上がらないし、かといって人手不足もなかなか解消できない、ということである。
みんな安月給で、ずっと忙しい。
著者は、そういう状態が続いていくことになるのではないかと思っている。

もし、今よりも豊かになりたいのであれば、「ほかの人ができない何か」を早めに見つけたほうがいい。
とはいえ、この「何か」というのは、特別な資格などといった目に見えるスキルとは限らない。
「メンタル」のような、目に見えないスキルも、「ほかの人にはできない何か」に十分なりうる。

例えば、自分が今いる会社の上司にすごく気に入られるということだって、「ほかの人ができない何か」である。
上司に気に入られれば、「資産価値ある個人」として重宝されて、会社をクビにはなりにくくなる。

ここまでのところで、「機械、AIが人間の仕事を奪うなんて言われている時代に、そんなことでいいの」と思うかもしれない。
でも、人間の優秀さやスキルなんて、たかがしれている。
もし国家公務員や大企業の社員が言われるほど優秀なのだとしたら、他国に比べて日本がこんなに停滞していることもないだろう。

もっとも日本の場合は、素材として優秀だった人が、企業や官公庁に入って優秀でなくなってしまうという、残念なパターンのほうが多いかもしれない。
それに「機械が人の仕事を奪う」のが本当だったとしても、その対抗策が「機械に負けないすごいスキル」を身につけることだとは著者は思えない。

日本は労働集約型のほうに舵を切ったが、それでもホワイトカラーの仕事を中心に、AIをはじめとした機械化、自動化の仕組みはどんどん導入されていくのは確かだ。
すでに伝票処理などの事務作業についてはRPA(Robotic Process Automation)の導入が始まっており、「機城が人間の仕事を奪う」こと自体はもう始まっている。

人間が自然に行うタスクをコンピューターに学習させる機械学習、ディープラーニングなどによって、過去のデータを元にした将来予測についても、いろんな業界で可能性が探られている。
しかし、だからといって、AIを開発できる超優秀なエンジニアでないかぎり、全員失業ということにはならない。
企業を経営しているのが人間であるかぎり、AIがあれば人間がいらないということにはならない。

なので、これからの新しい時代に求められるのは、超優秀な人間というより、そこそこ仕事ができて周りに気に入られる「「いい人」。
メンタルスキルに秀でた個人ということである。

これからの時代、本当に「資産価値ある個人」というのは、こういう人である。


◾️おわりに

AIが普及してきたこの時代、生き残っていくためのヒントが紹介されています。
気になる方は、是非読んでみてください。

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