『すごい無意識』読書レビュー 142冊目:自己啓発No.31
『すごい無意識』
著:梯谷幸司
こんにちは、読書好きのmasamariです。
今回は、梯谷幸司さんの『すごい無意識』をご紹介します。
◾️人間の意識には「顕在意識」「潜在意識」そして「メタ無意識」がある
心理学的にいうと、人にはまず五感情報があり、その次に無意識、そして潜在意識、最後に顕在意識がある。
①顕在意識
もっとも表面的なのは顕在意識。
顕在意識は、人が理性で考えるときに使われる意識で、会話や思考、計算など、日常生活を送るのに使われ、私たちが容易に知覚できる領域である。
②潜在意識
その奥にある潜在意識は、私たちが知覚することのできない領域である。
眠っているとき、没我状態の時、ぼーっとしているときに活性化される意識であり、顕在意識に大きな影響を与えている。
しかしここで、著者にとって長年疑問があった。
「では、何が、潜在意識に固有の感情や信念、思考を作らせてしまうのだろうか」
やがて、潜在意識の奥にはさらに何層かあり、それが潜在意識に影響を与えていると気づいた。
それが無意識だったのである。
◾️潜在意識を入れる器が「メタ無意識」
さらに無意識の奥には五感情報がある。
五感情報とは、視覚、聴覚、触覚、嗅覚、味覚を通して、外部の情報が「なんとなく」という感覚として保存されている。
整理されていない生の情報である。
無意識と潜在意識は混同されがちだが、同じものではない。
そこで著者は「無意識」に、「超えたところの」という意味である「メタ」という言葉をつけて「メタ無意識」と名付け、潜在意識から離れた存在として使い始めた。
メタ無意識は、潜在意識を入れる器みたいなものである。
器次第で見え方が変わってしまう。
コーラを普通のコップに入れればコップの形に見えるが、ミッキーマウスの形のグラスに入っていたらミッキーマウスの形に見える。
中身は同じでも入れ物が違えば、見え方は変わってくる。
この器(=メタ無意識)こそが、人生の中のさまざまな現実を作り出す思考などの前提となる「形・器」なのである。
◾️脳は相手の「心」に共感する
なぜ、人は無自覚にメタ無意識に書き込まれたセルフイメージを読み取ってしまうのか。
それは、霊長類の脳内にあるミラーニューロンという神経細胞が作用しているからである。
ミラーニューロンは、他の個体の行動を見て、まるで自分が同じ行動をとっているかのような「鏡(=ミラー)」に近い反応をする。
ミラーニューロンは、他人の行動を見ることで、その人の考えや思いを我が事のように感じる共感能力をつかさどっていると考えられているのである。
これは20年以上前、イタリアパルマ大学で偶然発見されたものだ。
サルの脳に電極を刺して実験をしていたところ、人が手を動かす姿を見て、サルの脳内の手を動かす神経が反応していたのである。
同じく霊長類である人も、目で見た動作や表情を、自分の脳内で再現し、相手の心を読んでいると考えられている。
種の保存のため、生き残るためにあるこの機能が、相手の動きを鏡のように映し出し、同調して体験し、「この人は大きな目的でやっている」「この人は何か個人的な目的のためにやっている」などと、相手の背景をキャッチするのである。
◾️おわりに
本書では、「メタ無意識」を使った、人生のあらゆる局面において「なぜか上手くいく人」になるための具体的な方法が紹介されています。
気になる方は、是非読んでみてください。