『うまくいきそうでいかない理由』読書レビュー 144冊目:ビジネスNo.102
『うまくいきそうでいかない理由』
著:佐藤由美子
こんにちは、読書好きのmasamariです。
今回は、佐藤由美子さんの『うまくいきそうでいかない理由』をご紹介します。
◾️「うまくいかない前提」の結末は決まっている
同じ願望を抱きながらも、うまくいく人とうまくいかない人がいるのは、「どんな前提が働いているのか?」の違いがあるからだった。
うまくいく前提が働いていると、途中でうまくいかないことがあっても、最後はうまくいくようになっている。
うまくいかない前提が働いていると、途中でうまくいくことがあっても、最後はうまくいかないようになっている。
「だったら、うまくいく前提に変えたい」
誰しも、そう思うでしょう。
誰だって、うまくいかない前提なんていらない。
うまくいく前提で、自分の思う通りの人生を描きたい。
そう願って当然である。
ところが、重大な問題がある。
この前提は、「無自覚に作用していて、本人は気づいていない」という点である。
本人は気づいていないから、「行動しても、なぜか空回り」という現象が起きてしまうのだ。
だから、最初は同じ行動をしていたはずなのに、いつの間にか、うまくいく人とうまくいかない人に分かれてしまうのである。
◾️見せかけのプラス思考はメタ認知能力が低い
メタ認知能力が高い人は、自分の現状を俯瞰できるので、「できていること、できていないこと」を、ニュートラルに認識できる。
この両方を見渡せる視点があってこそ、どう修正するともっとよくなるのか、が認識できるのである。
一方、メタ認知能力が低い人は、客観視ができていないので、「できていること」「できていないこと」を認識できない。
例えば、収入を得ようとして、自分に合わない方法を選び続け、行動はしているのに結果が出ない、という状態に陥る。
この場合、まずは、自分がうまくいっていない現状を、きちんと受け入れる必要がある。
よく「見せかけのプラス思考」で、失敗しても何でもよい方向に解釈しようとしている人を見かける。
一見、前向きで、悪くないように思う。
しかし、こういうタイプは、なぜか似たようなことを何度も違う場面で繰り返しがちである。
それは、うまくいっていない現状を受け入れていないからだ。
一番都合の悪い部分を見ないようにして「これは、きっとよいことが起きる兆候」とか「私は、結局うまくいく」「今度こそうまくいく」とプラスの言葉を唱えたところで、何も現実は変わらないだろう。
まさに、その一番都合の悪い部分こそ、「うまくいかない前提」の部分なのだから。
自己啓発のセミナーや本に夢中になって、耳触りのよい「運をよくする方法」や「引き寄せの方法」に飛びつくのも、たいていこのタイプである。
どんなに「ありがとうございます」と感謝の言葉を唱えたところで、一番都合の悪い部分を見ないでいるのは、例えるなら、DVDを入れ替えることなく、一生懸命、映し出される画面上のストーリーを変えようとしているようなものなのである。
つまり、「前提」を変えないまま、ただプラスに解釈しても、表面的なものに過ぎない。
いくら未来の映像をイメージしてワクワクしても、いくらプラスの言葉を一生懸命に唱えても、前提を変えない限り、根本的には一向に解決しない。
本当の意味のプラス思考とは、自分の現状をあるがままに受け入れ、そのうえで「未来はきっとよくなる」と自分を信頼し、そのために必要な選択や行動がとれるように、軌道修正できることである。
◾️おわりに
いい人生を送りたいのになぜかいつも上手くいかない。
そんな人のために、上手く行くためのヒントが本書で紹介されています。
気になる方は、是非読んでみてください。