『すべての知識を「20字」でまとめる 紙1枚!独学法』読書レビュー 147冊目:ビジネスNo.104
『すべての知識を「20字」でまとめる 紙1枚!独学法』
著:浅田すぐる
こんにちは、読書好きのmasamariです。
今回は、浅田すぐるさんの『すべての知識を「20字」でまとめる 紙1枚!独学法』をご紹介します。
◾️トヨタで学んだ「資料づくりの3つの制約」
著者は、サラリーマン時代の大半をトヨタで過ごした。
2兆円を超えるような利益を、たった1年で出してしまう。
そんな世界的企業の働き方に、いったいどんなヒミッがあるのか。
色々な人が色々な観点で分析を行っているが、著者がフォーカスを当てたのは、「紙1枚にまとめて仕事をする」というワークスタイル。
トヨタには、企画書・決裁書享議書・報告書・議事録・分析資料・検討資料・ディスカッションペーパー等々、とにかくあらゆる書類について、「A4もしくはA3で1枚」にまとめていくという企業文化がある。
別にルールとして明文化されているわけではなかったのだが、7万人の社員の大半が、淡々とこの基本動作を実践していた。
資料には、次の「3つの制約」がかかっている。
・制約①:「紙1枚」に収めなければいけない
・制約②:「枠内」に収めなければいけない
・制約③:「テーマ」から逸脱したことは書けない
1つめの「紙1枚」という制約については、基本はA4用紙で。
それが無理なら、なんとかA3 サイズ1枚に収めることを目指す。
「資料全体のレベル」でかけている制約、ということになる。
また、各資料には複数の「箱=枠=フレーム」がついている。
加えて、各フレーム上部にあるのが、「何について書いてあるか=テーマ」である。
資料を作成する際は、この枠をはみ出した分量で文章を書くことはできない。
もちろん、枠の上部につけたテーマと関係ない内容は、カットする必要がある。
こうやって、「1枚」「枠」「テーマ」という3つの制約をかけた状態で、日々、資料を作成していると何が起きるか。
想像に難くないと思いますが、「1枚」に、「枠」に、「テーマ」内に収める要約力が嫌でも身につく。
3つの制約に縛られながら膨大な枚数の資料を作成してきたという「量」が、要約力の「質」を高めてくれたのである。
もちろん、当初はまったくといっていいほどうまくできなかった。
資料をつくっては上司に見せ、真っ赤に添削してもらう。
それを踏まえて再度資料をつくり、また赤ペン添削を受ける。
この繰り返しを通じて、少しずつ自力で、言葉を枠内に収めていけるようになっていった。
ただ、こう書くと「赤ペン添削をしてくれるような上司が周囲にいなかったら、要約力は身につかないのか」と感じる人がいるかもしれない。
「そんなことはない」というのが、著者の結論である。
確かに、上司の添削によって、要約力を短期間で鍛えることができたのは間違いない。
とはいえ、短期間という時間的条件さえ外せば、
「1枚」に、「枠」に、「テーマ」内に収めなければならないという制約
を設けて資料をつくっていたことが、決定的な要因だったと考えている。
好き勝手にダラダラと文章が書けないよう、制約をかけた状態にしてしまう。
この条件下でトレーニングを積んでいけば、要約が苦手な人でも、十分に能力アップが可能となる。
◾️おわりに
要約力を身につけるためには、制約をかけることが重要です。
制限がないまま書きたいように書いていると、結局何が言いたいのかわからなくなりますし、読む側も長々と書かれると読む気も失せて、内容もいまいち入ってきませんからね。
要約力や学ぶ力をつけたいという方は、是非読んでみてください。