『20代のうちに知っておきたい100の黄金ルール』読書レビュー 151冊目:自己啓発No.34
『20代のうちに知っておきたい100の黄金ルール』
著:大塚寿
こんにちは、読書好きのmasamariです。
今回は、大塚寿さんの『20代のうちに知っておきたい100の黄金ルール』をご紹介します。
◾️「やりたくない」仕事は排除せよ
「やりたい」仕事なんて、それこそ20歳そこそこで見つかるはずがない ー というのが現実だ。
大体、世の中にどんな業界があって、どんな仕事をしているかなんて知らないわけだから。
結局、断片的な情報やイメージで「やりたい」と思い込んでいるのが本当のところではないか。
そこで、学生のうちから実際の企業の中の仕事に触れてもらい、会社や仕事の中身に対する理解を深めてもらう取り組みとして、インターンシップ制度も生まれてこそいるが、実際のところ、「青田買い」的要素や、就活の早期化への反発、学生にやってもらう仕事がないなどの理由から、就職活動の一環とした短期間のものが多くなっている。
だから著者は、「やりたい」にめぐり合うには、逆に「やりたくない」仕事をリストアップして、消去法的に志望業種や希望職種を選択するのが合理的だと考えている。
その軸として、もっともシンプルなのが「人」である。
「人」を好きか嫌いかという二原論ではなく、「人」や「人のお世話」が好きなら、接客を伴うサービス業、販売、化粧品会社などがリストアップされるだろう。
逆に人が嫌いというのではなく、どちらかというと人づきあいやコミュニケーションが苦手で、パソコンやゲームの方が好きということであれば、SE(システムエンジニア)やモノづくり系の方がハッピーな就活になるだろう。
ただし、IT企業やSEの世界でも、プロジェクトリーダーやマネージャーに求められるのはコミュニケーションカである、ということは念頭に置いておかなければいけない。
著者自身も、就活時には「やりたい」仕事ではなく、「行きたい業界」と「やりたくない」仕事で就職先を選んでいた。
要は、グローバルなフィールドで商売の仕事がしたかったために総合商社、ゼロから何かを生み出すクリエイティブな仕事がしたかったために広告代理店という、何ともミーハー的な選択をしていたのである。
ただし、「やりたくない」仕事は明確だった。
経理、財務、システム系、IT系といったところだ。
ぼんやりと、「営業か、企画っぽい仕事」とイメージしていたが、「やりたい」というところまでの感情はなかった。
だから、「やりたい」の前に「やりたくない」という視点で仕事を分類しておくと、入社後のミスマッチが軽減される。
◾️仕事の評価は他人が決める
入社1年目で誰もが味わう窮屈感というか東縛感というものに、「自分で自由に仕事をすることができない」ということがある。
会社での人間関係は友人とは違うし、仕事も遊びや勉強とは全く違い、自己完結で済むことはほとんどない。
例えば、ある新聞に居酒屋チェーンでパート勤務をしている女性からの投書が載っていた。
彼女によれば、更衣室ではハンガーに服をかけることができず、床に撒き散らしたまま、ゴミ箱には生ゴミと汚水が残って異臭を放ち、洗った鍋やボウルには汚れがこびりついているという。
外食産業の不祥事が後を絶たないが、多かれ少なかれ、事故はこのような現場から起こるのだと、背筋が寒くなった。
仕事というのは、ただ与えられたものを「やればいい」のではない。
自分なりのやり方ではダメだ。
ゴミを捨てるということは、そのゴミ箱もキレイに洗って清潔さを保つことだし、鍋やボウルを洗うということは、汚れをすべてとってピカピカに磨いておくということである。
自分で「このくらいでいいや」と勝手に決めて流すことなど許されていないのが仕事だ。
「やればいい」のではなく、及第点を超えなければ仕事ではない。
しかもその及第点を決めるのは自分ではなく、上司だったり会社のルールだったりするのだ。
これは、どんな仕事でも一緒。
我流では絶対にダメだし、「自分としては……」もNGワードとして使わずにいた方が無難である。
ここ数年、企業内では、親に叱られたことの無い新入社員の扱いが話題になっている。
そもそも親にさえ叱られたことが無いので、ちょっと上司や先輩に叱られただけで心が折れてしまったり、パニックを起こしたり、出社できなくなってしまう新人が増えている。
四半世紀も前の著者の新人時代から「まだ学生気分が抜けなくて……」なんて話題は新人にはつきものだったので、今に始まったことではない。
しかし、昔も今も、社会人になって気持ちを切り替える第一歩は、仕事の範囲、仕事のやり方、仕事の質を決めたり評価したりするのは、自分ではなく、上司や顧客であると認識することから始まる。
それは、他人様から給与をもらっているからだ。
労働の対価として給与をいただく以上は水準以上の仕事でなければ、話にならない。
◾️おわりに
これから就活する20代の方は、就職してから後悔しないためにも是非読んでいただきたい本ですね。
20代以外の方で、会社で上手くやっていきたい方や気になる方も、是非読んでください。