『ランチェスター戦略「営業」大全』レビュー 18冊目:ビジネスNo.14

『ランチェスター戦略「営業」大全』
著:福永雅文


こんにちは、masamariです。

今回は、福永雅文さんの『ランチェスター戦略「営業」大全』をご紹介します。


◾️ランチェスター戦略

ランチェスター戦略とは、コンサルタントの草分けの田岡信夫さんによって生み出された戦略で、企業間の営業・販売競争に勝ち残っていくため、すなわち競争戦略・販売戦略の理論と実務の体系です。
多くの企業がこれを学び、自社の戦略に取り入れ、成果を上げてきたことから、日本において競争戦略・販売戦略のバイブルと呼ばれています。

大が小に勝つのは当たり前で、小が大に勝つことこそが戦略の醍醐味です。
かつては小さな会社だったアシックスソフトバンクも、差別化や一点集中といったランチェスター戦略に取り組み、今となっては日本を代表する大企業になっています。
弱者逆転こそがランチェスター戦略の真骨頂なのです。

なぜ多くの企業が取り組んできたかというと、それは科学的で、実務的だからです。

ランチェスター戦略は、ランチェスター法則クープマンモデルの2つの軍事理論を原点にしています。
軍事理論の数式を経営に応用するために科学的に解析し、市場シェアの目標数値などを導き出します。
ランチェスター戦略は市場シェアを判断基準とした競争地位別の戦い方を指導原理にしているのです。


◾️小が大に勝つ三原則

戦いには原理があり、勝ち方には原則があります。
原理とは物事の根本と仕組みです。
企業間競争も含む戦いの根本は「強い者が勝つ」ということ。
単純すぎると思うかもしれませんが、奥は深いです。

大きな者は有利ですが、大きいからといって勝っているというわけではなく、強いから勝っているのです。
逆に小さい者は不利ですが、小さいから負けているというわけではなく、弱いから負けているのです。
大きかろうが小さかろうが、武器の良し悪しで勝敗が変わってきます
ランチェスター法則では、その強さについて示されています。

武器の性能(質の要素)と兵力の数(量の要素)の掛け合わせが戦いの仕組みです。

原理から導き出される多くの場合に当てはまる決まりのことを原則といいます。
小が大に勝つための三原則は以下の通りです。
①第一法則が適用する戦いを選ぶこと
②武器の性能を高め、質の優位さを築くこと
③兵力を集中して、部分的に量の優位さを築くこと

※第一法則とは、1対1が狭い範囲で敵と密着して戦う、原始的な、あるいはゲリラ的な戦いの時に使うもので、「戦闘力=武器性能×兵力数」です。
※第二法則とは、多数と多数が同時に広い範囲で敵と離れて撃ち合う、近代的な戦いの時に使うもので、「戦闘力=武器性能×兵力数の2乗」です。

小が大に勝つとは一発逆転ではなく、まずは小さな勝利を得ることが大事です。
そしてそれを繰り返し、全体的な勝利を目指していくのです。


◾️おわりに

本書では74のキーワード解説で「ランチェスター戦略」の使い方が説明されています。
事例等も書かれていてわかりやすい内容になっています。
経営者や営業関連の方にはおすすめの本だと思います。

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