『京大式DEEP THINKING』レビュー 62冊目:ビジネスNo.41
『京大式DEEP THINKING』
著:川上浩司
こんにちは、masamariです。
今回は、川上浩司さんの『京大式DEEP THINKING』をご紹介します。
◾️「頭が良い」とは、深く考えられることである
本書は「深く考える」ことを考え、1冊を通して「考え抜く力」を高める本です。
それが最大にして、唯一の目的である。
「高得点=本当に頭の良い人間なのだろうか?」と疑問が生じる。
著者はその違和感や疑問を自分の中で調べてみて、次のように思っている。
「頭が良いとは、『深く考えられる』こと」だと。
頭の良さとは、試験の得点という数字には落とせないものである。
もちろん、試験問題は考え抜いて作り上げたものだし、精度が確かな「ものさし」であることは、教授の1人として保証しなければならない。
だか、いくら吟味した試験であっても、「頭の良さ」を100%完璧に測れるかと問われたら、著者の本音は「ノー」である。
頭の良さは、点数では測れない。
なぜなら「深く考える」という営みは決して数値化できないものだからである。
仕事の上でも生きてく上でも、役に立つのは「深く考える力」だ。
「深く考えられる」という「本当の頭の良さ」が、最高の強みになる。
著者は、「テストで高得点獲得」を目指すことは否定しないが、そこにばかり主眼を置かず、「思考のスタミナ」をつけて深く考えられる力を高めたほうがいいと考えている。
◾️「深く考える」を考えるための考察
どうすれば「深く考える力」がつくのか?
足が速くなりたかったら、走る必要がある。
腕力をつけたかったら、腕力を鍛えるトレーニングをする必要がある。
この論でいけば、深く考える力をつけるには、深く考えるしかない。
ごくシンプルな話である。
ところが不思議なことに「この本のメソッドを手に入れれば、思考力が上がる」とうたう思考法の本は多い。
考えることなしに「思考の型」だけ渡して考える力をつけるとは、あたかも「思考のドーピング」のようである。
それが健全なこととは、著者は思わないとのこと。
そもそも、思考のドーピングに効果があるかどうかは疑わしいし、仮に効果があったとしても持続性があるかどうかは眉唾ものである。
「深く考えるには、深く考えていくしかない」
これが著者の持論である。
思考のドーピングが横行しているように、私たちはスピードと引き換えに、「深く考える」という営みを手放しているが、次のことを心にとどめておきたい。
"考える力をつけるには、考える時間をつくること"
ただし、考える時間をつくるために、時間の使い方を工夫したり、時間術を手に入れる必要はない。
必要なのは、「考えることの価値を知る」ことである。
だからこそ、忙しい毎日にもかかわらず本を読むわけなので、少し立ち止まってみる。
そんな「Thinking Spot」が本書の位置付けである。
◾️おわりに
早く答えることがいいとは限らないし、その答えが的を射ていないこともあります。
そんな時に必要な「深く考える」ことについて、本書ではそのテクニックなどを紹介しています。
思考力をつけたいという方は、是非読んでみてください。