『頭がいい人の「論理思考」の磨き方』レビュー 73冊目:ビジネスNo.49
『頭がいい人の「論理思考」の磨き方』
著:渡辺パコ
こんにちは、masamariです。
今回は、渡辺パコさんの『頭がいい人の「論理思考」の磨き方』をご紹介します。
◾️論理思考に有効な「思考のツール」
論理思考とひと口に言っても、実はさまざまな手法がある。
「ピラミッドストラクチャ」や「MECE(ミッシー、ミーシー)」などのワードを聞いたことがあるかもしれないが、歴史的に見れば、哲学の傍流としての論理学があり、そこでは帰納法や演繹法、弁証法などの思考法が形づくられてきた。
また20世紀に入ってからは、心理学の研究が進み、認知科学からのアプローチも行われている。
このアプローチでは、例えば、「権威づけられた人が話すことは正しいことのように感じられる」というような、人間の理解の特性を理解し、その特性を排除することで適切な理解や論理を組み立てようとするものである。
本書では、経営コンサルタントが論理学を応用することで開発した思考のツール「ピラミッドストラクチャ」「ロジックツリー」「MECE」と、論理学以来の伝統的な論理的思考法である「帰納法」「演繹法」をベースにおいて説明されています。
これらの思考のツールは、あくまで道具にすぎない。
このような「ハイテクなツール」がそろう前から、人間はロジカルにものを考えることができた。
しかし、これらのツールは、人間の不完全な脳には効果のある導入ツールであることも事実である。
◾️MECEは分類の不足を補うために使う
MECEはビジネスの中でどのように使うといいのか?
「MECEに考えるように」と言われると、多くの人は先にMECEな枠組みを探し、そこに現実を当てはめようとする。
市場を分析する時に、「先に年齢で切ろう、年齢なら10年ごとに区切るといいだろう」というように、先にMECEな切り口をつくろうとする。MECEになるような切り口を先に探してから、それぞれの内容を思考しようとするのである。
しかし、先にMECEな切り口をつくってしまおうとすると、前述のような「限界」にぶつかってしまい、ロジカルだが内容のない知見しか得られない。
現実のコンサルティングなどの場面では、先に直感的な仮説(切り口)を発見し、その切り口から現実のマーケットを分析してしまう。
その上で、「〈その切り口〉以外」の領域をMECEになるように切り分ける。
◾️おわりに
本書では、「考える力」を鍛えるトレーニングでは、「ピラミッドストラクチャ」「ロジックツリー」「MECE」「帰納法」「演繹法」などについて、具体的な方法が説明されています。
「考える力」以外にも「伝える力」についても説明されています。
論理思考を磨きたいと思っている方は読んでみてください。