『8割捨てる!情報術』レビュー 93冊目:ビジネスNo.60

『8割捨てる!情報術』
著:理央周


こんにちは、masamariです。

今回は、理央周さんの『8割捨てる!情報術』をご紹介します。


◾️「超人」のマネをしても仕方がない

仕事もプライベートも忙しそうで、ネットや新聞、テレビ、それに雑誌などに触れる時間が十分にはありそうもないのに、なぜか情報通。
ビジネス関係では、業界の動向や、競合他社、製品情報などに詳しいだけでなく、オフの情報についても、本はいろいろ読んでいるし、映画や音楽、スポーツにも詳しくて話題豊富。

こういう人は、いったいどんな生活を送っているのか?

世の中には、「天才」と称される人がいる。
大量の文字をかなりのスピードで読むことができて、しかもその中身を完壁に理解できる。
超人的な記憶力で、さまざまな情報の細部にわたって長期間覚えていられる。

PCで例えれば、高性能のCPUを積んでいて、大容量の記憶媒体(HDD)を備えているような人は確かにいる。
しかし、著者のこれまでの経験では、このような「情報超人」とも呼べるような人は、ごく限られた存在でしかない。
それに、この「超人」のマネをしようと思っても、私たち一般人には不可能である。

ただし、情報の集め方、処理の仕方、使い方に卓越していて、端から見れば「あの人は、すごい」と思う人の中にも、搭載しているCPU、HDDは普通の人とそれほど変わらない、というケースも結構ある。
こういう人は、「情報名人」とでも言えるでしょうか。
先に紹介した、オンの情報にも、オフの情報にも精通している人の中にも、私たちとそれほど変わらないけれど情報を扱う「技術」に長けている人がいる。
私たちは、その「情報名人」を目指せばよいのである。


◾️情報「ゴミ屋敷」にしないための整理術

どうすれば「情報名人」になれるのか。
端的に一言で表現してみると、

ムダな情報に時間を費やさないー。

いたってシンプルである。
そして、そのノウハウについても、特に難しい方法論があるわけではない。
次の3つのステップで情報を扱えばいいわけである。
それは、

①仕分ける
②捨てる
③整理整頓する

世間では、定期的に「整理術」をテーマにした本がべストセラーになる。
中身は、身の回りの衣類や雑貨、思い出の品などをどうするか、についての方法論を説くものが多いようである。

これらの本をひもとくと、「最近、使っていないもの、ときめかないものは、必要ないのだから捨ててしまおう」「『いつか使う』は永遠に使わない、だから捨ててしまおう」といった内容が目につく。
これは、情報についてもまったく同じ。
たとえば、「いつか読むだろうと思ってクリッピングした記事」「何かの役に立つはず、と思って保管している雑誌や書籍」「あとあと何かあると困る、と思って保存している書類の数々」。

決して、すべてとは言わないが、その多くが二度と目にされないまま、自分の周りに山をなすようになり、情報のゴミ屋敷を形作っていく。

ゴミの山に埋もれて、肝心なときに大切な情報がすぐに参照できない。
こんな状況を避けるため、しっかり「整理」しなくてはいけない。
そのための具体論が、「①仕分ける」「②捨てる」「③整理整頓する」なのだ。


◾️「80:20」の法則は、情報にもあてはまる

世の中でよく言われる「80:20」の法則。
「ビジネスにおいて、売り上げの80パーセントは、全顧客の20パーセントを占める優良顧客によって生み出されている」というように使われるもの。
もともと経済学には、「パレートの法則」というものがあって、全体の数字の大部分は、一部の要素によって生み出されているという考え方があり、それをビジネスやマーケティング、さらには自然現象などの経験則とともに語っているものである。

この考え方を応用し、「会社の成果の8割は、優秀な2割の社員によってもたらされる」「ホテルの利益の8割は2割のスペースからなる宴会場から生まれる」「世の中の富の8割は、2割の富裕層によって所有されている(最近は1パーセントの富裕層によって、などと言われる)」といった使い方がされる。

この法則が本当かどうかは、使われ方によって、その妥当性が違ってきますが、聞けば誰でも「まあ、そうだろうな」と納得してしまうのが不思議である。
この法則を情報にあてはめると、こんなことになる。

仕事の成果の8割は、手にできる情報全体の2割で生み出される。

これは長年、ビジネスの世界で生きてきた著者の実感でもあるが、要するに、仕事の成果を上げたいと思ってやみくもに情報を集めても、役に立つのは2割程度で、
残りの8割はムダになっている、極端に言えばゴミである、ということだ。
だから、その残りの8割の情報に時間と手間をとられないように工夫をする。
それが効率的な情報生活を送るための近道、早道になる。

先に紹介した「情報名人」たちは、意識的か、無意識的かは、人によってさまざまだが、それぞれ役立つ情報2割にだけフォーカスして収集、分析、活用をするので、時間的に余裕ができ、私生活も楽しむ余裕ができる、というわけなのだ。


◾️おわりに

私自身、収集癖で何でもかんでも集めようとしてしまうところがあるのですが、あればあるほどいいという訳ではないようですね。
いかにムダな情報を捨てるか、そういう考え方が成果を残すためには必要なのかもしれません。
物だけでなく、情報についても整理整頓をしていこうと思います。

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