『アマゾンのように考える』読書レビュー 116冊目:ビジネスNo.79
『アマゾンのように考える』
著:ジョン・ロスマン
こんにちは、読書好きのmasamariです。
今回は、ジョン・ロスマンさんの『アマゾンのように考える』をご紹介します。
◾️アマゾンにおけるリーダーシップの原則
アマゾンには14のリーダーシップの原則がある。
著者がアマゾンにいた時、それらははっきりとした形になっていなかったが、毎日のようにそれについて話し、意思決定を行なうときはそれを利用した。
2005年に著者がアマゾンを辞めたあと、この原則が明文化された。
アマゾンではLP(Our Leadership Principles)と呼ばれていたこの原則が、規模を拡大するときに大きな役割を担った。
そのおかげで、スピードと説明責任、リスク負担、適切な結果を出すことのバランスを保てる。
気をつけなければならないのは、1つの原則にばかり頼りすぎてはいけないということだ。
そして賢く使わなければならない。
●リーダーシップの原則
1.カスタマー·オブセッション(顧客への執着)
2.オーナーシップ(当事者意識)
3.創造し単純化する
4.多くの場合、正しいことをする
5.学び、好奇心を持つ
6.最高の人材を確保して、育てる
7.常に高い目標を掲げる
8.大きく考える
9.まずは行動する
10.倹約
11.信頼を得る
12.深く考える
13.気概を持つ。反対意見を表明し、決まったら全力を尽くす
14.結果を出す
ジェフ・ベゾスは、長期的な投資を行なえるタイムフレームでものごとを評価する。
想像以上に長期にわたる場合もある。
ベゾスがロング・ナウ協会と深くかかわっているのはよく知られている。
この協会の会員は社会が近視眼的になることを憂慮する人々である。
彼らはベゾスがテキサス州西部に所有している土地に、1年に1度針が動く時計をつくった。
世紀を示す針は100年につ進み、今後1万年にわたり、千年に一度、時を告げるカッコウが現われる。
ジェフ・ベゾスはシンボルが大好きである。
1万年時計は、常に大きく考え、長い目でものごとを見るという、彼の希望のシンボルだ。
それは会社、文化、そして世界、すべてについてである。
もしすべてのプロジェクトを3年で行なわなければならないとすると、数多くの相手と競わなければならない。
しかしその期間を7年にできれば、競争相手はぐっと減る。
そこまでする会社はほとんどないからだ。
長期的な計画を立てることによって、それまでできなかったことに取り組めるようになる。
アマゾンでは、事業が軌道に乗るまでの期間として、5〜7年を目安にしていた。
社員たちはせっせと種をまいてそれを育てるーそして、とてもしぶとい。
◾️変化を受け入れる
秘訣1:競争のやり方を変える
変化が好きなのは赤ん坊だけだと言われる。
しかし、変わろうとする意欲こそ、革新者と後発者、起業家と官僚、デジタル勝者とデジタル敗者を分けるものだ。
変化を望む専門家、チーム、会社、現在の状況のあらゆることに疑問を持つ人々が、デジタル勝者である。
自分と自分が属する組織が偉大になるまで、毎日、最後の一滴まで力を振り絞らなければならない。
そして目標を達成したら、また洗い、すすぎ、それを繰り返す。
それはなぜか。
デジタルはテクノロジーでもソーシャル・ネットワークでもないからだ。
デジタルとは競争のやり方を変えることだ。
新しい顧客体験、無駄のないビジネス手法、革新的なビジネスモデルを開発する。
それを後押しするのが、ソーシャル/モバイル・コラボレーション、人工知能、予測分析といった、幅広いテクノロジーとコンピュータ科学の融合である。
デジタルはテクノロジーではない。
競争のやり方を変えることである。
秘訣2:個人も変わる
デジタル変革は組織の変化だけでなく個人の変化であることは、理解されていないことが多い。
ガンディーが言ったように、自分が見たい世界の変化に、自分がならなければならないのだ。
自分の習慣を変えられないなら、自分の組織全体を変革することもできない。
デジタル変革は、デジタル時代にビジネスや職業人として成功するために必要な、組織と個人、両方にとっての変化である。
組織レベルと個人レベルの、新しい信念、新しい経営理念、新しい技術である。
一般的に必要な個人の変化は、この本のアイデアの多くで説明されている。
ビルダーになること、ナラティブを書くこと、メトリックスをつくること、根本原因をさぐること、そして問題解決によってイノベーションをすること。
そしてすべて独力で行なうのは無理にしても、何でも人に任せるのではなく、オーナーという意識を持ち、直接的な仕事をする必要がある。
秘訣3:スピードが重要
デジタルとはスピードとアジリティである。
スピードはオペレーショナル・エクセレンス(業務遂行能力が高く、それが会社の優位性を保つ要因となっていること)である。
アジリティは変化を起こせるということ。
デジタルで勝つには、すべてをもっと速く、もっと敏捷にすることだ。
これは顧客に何を提供するか、そしてあなたが仕事にどう取り組むかを含む。
社の内外で、前よりも短い時間で商品を届ける、あるいは仕事を終わらせる。
そして状況に合わせてすばやく反応し、サイクル時間を短縮して、顧客体験と仕事のプロセスからのデータ品質を向上させることを目指す。
◾️おわりに
本書では、著者がジェフ・ベゾスから学んだ50ものアイデア(考え方、戦略、ビジネスとテクノロジー、アプローチ&実行)について、エピソードを交えながら紹介されています。
FAQの作り方、6枚分の書類の作り方など身近ですぐできる方法も紹介されており、日々の業務にも役立つ1冊となっております。
アマゾンの成長・成功の秘密について知りたい方、日々の業務を向上させたいと思っている方は是非読んでみてください。